東福島駅

福島県福島市に所在する東福島駅は、東日本旅客鉄道（JR東日本）および日本貨物鉄道（JR貨物）が管轄する東北本線の駅です。旅客駅としてのJR東日本の施設は福島市宮代字段ノ腰に、JR貨物の施設は旅客駅の南側にあたる北矢野目字田中に位置しており、同じ「東福島駅」を名乗るものの、その機能は旅客輸送と貨物輸送で分担されています。

歴史

当駅の歴史は、1923年（大正12年）10月15日に鉄道省東北本線の瀬上駅として開業したことに始まります。その後、時代の変遷と共にその役割を変化させてきました。1978年（昭和53年）6月1日には現在の東福島駅へと改称され、同月24日には福島駅からコンテナ貨物の取り扱いが移管され、貨物輸送の拠点としての機能も強化されました。

しかし、1984年（昭和59年）2月1日には手荷物輸送が廃止となり、同年12月1日には旅客営業が無人化され、駅の運営形態に変化が見られました。この無人化期間中も、福島駅から派遣された係員によって出改札業務は継続されていました。1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、JR東日本とJR貨物の駅となり、同時に旅客営業は再び有人化されました。

貨物輸送については、1998年（平成10年）3月14日をもって貨物列車の直接発着が廃止され、貨物の取り扱いは自動車代行へと切り替えられました。その後、2006年（平成18年）4月1日には、貨物輸送の効率化を図るため、駅の一部に東福島オフレールステーション（ORS）が開設されています。

近年では、旅客サービスの向上も進められています。2009年（平成21年）3月14日にはICカード「Suica」の利用が可能となり、改札での利便性が向上しました。さらに、2024年（令和6年）10月1日からは、インターネット予約サービス「えきねっと」と連携したチケットレス乗車サービスである「えきねっとQチケ」が導入されています。

駅構造

東福島駅は、地上に設置された駅であり、旅客施設としては1面2線の島式ホームと木造駅舎で構成されています。駅舎とホームの間は跨線橋によって連絡されており、安全にホームへの行き来ができるようになっています。旅客用のホームのほか、ホームに面していない側線が2本（下り1番線、下り2番線）設けられています。

駅の運営は、JR東日本東北総合サービスがJR東日本福島統括センター（福島駅）からの委託を受けて行っている業務委託駅です。構内は、阿武隈急行線が合流する矢野目信号場の設備までが含まれており、比較的広い範囲を管轄しています。駅舎内には、Suicaに対応した自動券売機や簡易Suica改札機が設置されており、ICカードでの乗降に対応しています。

貨物取り扱い

JR貨物の東福島駅は、主に東福島オフレールステーション（東福島ORS）として機能しています。これはJR貨物東福島駅に属する施設であり、旅客駅の南側に位置するコンテナ集配基地です。ここでは、12フィートコンテナのみが取り扱われており、貨物列車が直接乗り入れるのではなく、トラック便による輸送が行われています。

具体的には、郡山貨物ターミナル駅との間で、貨物列車に代わるトラックが1日3往復運行されており、ここで集められたコンテナが拠点駅へ運ばれる、または拠点駅から到着したコンテナがこのORSで引き渡される形態をとっています。前述の通り、1998年以降は貨物列車の発着がなく自動車代行駅となっており、2006年からはその機能の一部がこのオフレールステーションへと移行しています。

利用状況

東福島駅の旅客利用状況については、JR東日本が発表するデータによると、2023年度（令和5年度）の1日平均乗車人員は696人でした。これは、2000年度以降、数百人台で推移しており、地域に根差した駅として利用されている状況を示しています。

駅周辺

駅周辺には、主要な道路として福島県道387号飯坂保原線や福島県道155号飯坂瀬ノ上線が通っています。県道387号線を西へ進み、国道13号線を北西に向かうと、東北自動車道の福島飯坂インターチェンジにアクセスすることができます。また、駅の近くには蛭川や八反田川といった河川が流れています。

駅の東西にはいくつかの施設が点在しており、例えば西側には福島ゴムや福島高速バスターミナルなどがあります。駅の東側にも住宅地や商業施設などが見られます。

バス路線

駅前には「東福島駅前」停留所が設けられており、福島交通（福島支社）の路線バスが発着しています。主に宮代団地線が運行されており、福島駅東口方面と宮代団地方面を結んでいます。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）東北本線における隣の駅は以下の通りです。

福島駅 - （矢野目信号場） - 東福島駅 - 伊達駅

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