郡山貨物ターミナル駅

郡山貨物ターミナル駅：東北地方の貨物輸送拠点

郡山貨物ターミナル駅は、福島県郡山市に位置する日本貨物鉄道（JR貨物）の貨物駅です。東北本線に属し、広大な敷地を有する同駅は、東北地方の中核的な鉄道貨物輸送拠点として機能しています。着発線荷役方式（E＆S方式）を採用しており、効率的な貨物取扱いを可能にしています。

歴史：郡山操車場から貨物ターミナル駅へ

1965年、郡山操車場として開設された同駅は、東北本線の貨物輸送の中枢を担っていました。東洋一の規模を誇り、1968年にはヤード内入換作業のコンピューター化を実現するなど、常に先進的な技術を取り入れていました。1977年には駅に昇格し、郡山貨物ターミナル駅として新たな歴史を刻みます。その後、1984年にはヤード集結型輸送が廃止され、広大な操車場跡地は再開発事業の対象となり、現在ではビッグパレットふくしまなどが建設されています。国鉄分割民営化後、JR貨物の駅となり、1990年には東北地方で初めて着発線荷役方式を導入、さらなる効率化を図りました。2023年にはコンテナと一般トラックの積替ステーションを開設し、最新の設備を整えています。

駅構造：広大な敷地に最新の設備

203,000㎡の広大な敷地面積を誇る地上駅で、線路は南北方向に伸びています。コンテナホームはすべて本線の東側に配置され、上下本線間に上下4本ずつの着発線があります。さらに、上り本線東側には着発線2本と側線6本が設置され、着発線荷役方式に対応した荷役線も備えています。島式コンテナホームは、反対側にも2本の荷役線（側線）と接続しています。構内南側にはコンテナ車の検修庫と検修線、そして車両の空気制動機器・部品の検修棟と総合事務所棟が合築されています。かつてセメント輸送が行われていたセメントターミナル郡山営業所も構内に残っています。多くの線路は非電化ですが、構内入換作業にはHD300形ハイブリッド機関車が活躍しています。

取扱う貨物：多様な品目の輸送に対応

郡山貨物ターミナル駅は、コンテナ貨物と臨時の車扱貨物を扱います。JR規格およびISO規格のコンテナに対応し、酒類、医薬品、米、自動車部品など多様な発送貨物と、ガラス製品、化学工業品、清涼飲料水など多様な到着貨物を扱っています。産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の取扱許可も取得しており、幅広いニーズに対応可能です。

貨物列車とトラック便：広範囲をカバーする輸送網

高速貨物列車は、仙台貨物ターミナル駅方面と宇都宮貨物ターミナル駅方面に多数運行されています。仙台方面への列車は仙台貨物ターミナル駅、盛岡貨物ターミナル駅、札幌貨物ターミナル駅へと至り、宇都宮方面からは隅田川駅、新座貨物ターミナル駅、名古屋貨物ターミナル駅、大阪貨物ターミナル駅、安治川口駅、広島貨物ターミナル駅、福岡貨物ターミナル駅など、広範囲にわたる輸送ネットワークを形成しています。また、西濃運輸のブロックトレイン「カンガルーライナーSS60」も運行され、仙台港駅から吹田貨物ターミナル駅を結んでいます。さらに、会津若松、東福島間のオフレールステーションと連携したトラック便も運行され、効率的な輸送を支えています。

利用状況：安定した貨物取扱量

2017年度のJR貨物の取扱量は、発送貨物192,530トン、到着貨物168,796トンでした。近年は安定した貨物取扱量を維持しています。

郡山総合鉄道部：駅と検修施設の複合機関

1993年に郡山貨物ターミナル駅と郡山貨車区などを統合して発足した郡山総合鉄道部は、駅の機能と貨車検修基地の機能、乗務員基地機能を併せ持つ、重要な現業機関です。2005年には検修庫を構内南側に移転、2023年には郡山車両所の廃止に伴い、車両の空気ブレーキ機器等の検修業務と部品供給業務を移管し、部品センターを開設しました。また、駅舎・営業所棟の刷新も行われ、空制機器・部品の検修棟と総合事務所棟が合築されました。部品センターは関西支社管内を除く全国各地の検修拠点を対象に業務を行っています。仙台港駅には仙台港派出所を設置し、私有タンク車の交番検査を行っています。

その他

長らく駅名の読みの長さでJRトップを誇っていましたが、2002年に北九州貨物ターミナル駅にその座を譲りました。

隣の駅

• - 安積永盛駅
• - 郡山駅

もう一度検索