杵築駅

杵築駅：歴史と魅力が調和する駅舎

杵築駅は大分県杵築市に位置し、JR九州日豊本線沿線に存在する駅です。1911年の豊州線開通とともに開業し、以来、地域の交通を支えてきました。駅舎は木造建築で、歴史を感じさせる趣のあるたたずまいが特徴です。特に1番のりばは、1995年の改装で武家屋敷風のデザインが施され、独特の雰囲気を醸し出しています。

歴史を刻む軌跡

杵築駅の歴史は古く、1911年の開業以来、幾多の変遷を経てきました。当初は豊州線の一部として運行され、その後、国東鉄道、大分交通と運営会社が変わるなか、国東線の廃止や日豊本線の複線化など、時代の流れと共に変化を遂げてきました。貨物輸送も盛んであり、かつては柑橘類の積み出しも重要な役割を担っていました。国鉄民営化を経てJR九州の駅となり、2023年にはJR九州直営駅に変わりました。近年では、バリアフリー化工事の完了やICカード「SUGOCA」の導入、そして、2021年には南こうせつ氏作曲の「おかえりの唄」が到着メロディーとして採用されるなど、利用者の利便性向上のための取り組みが続けられています。

駅の構造と設備

杵築駅は単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の、合計2面3線のホームを持つ地上駅です。かつては駅舎内にキヨスクがありましたが、現在は閉鎖され、そのスペースは杵築市観光協会の観光案内所として活用されています。みどりの窓口も設置されており、切符の購入や各種情報の入手が可能です。改札口には関所を思わせる木製の門が設置され、歴史を感じさせる演出がなされています。また、自動券売機ではSUGOCAの購入も可能です。駅長は配置されておらず、駅員は収受要員のみとなっています。2017年から2023年まではJR九州サービスサポートが駅業務を受託していました。

利用状況と周辺環境

杵築駅の利用状況は、開業以来変遷を続けています。1965年度には年間55万人を超える乗降客数を記録していましたが、近年は減少傾向にあります。それでも、2015年度には年間約30万人の乗降客数を数え、地域の重要な交通拠点としての役割を担っています。駅周辺には、大分空港道路や八坂郵便局、阿蘇神社、大分県立杵築高等学校などの施設があり、生活に密着した立地となっています。また、杵築駅は、大分空港への鉄道アクセス駅として機能しており、空港までは路線バスや車で約30分の距離です。

バス路線とアクセス

杵築駅からは、大分交通と国東観光バスの路線バスが発着し、杵築市中心部や大分空港、国東方面へのアクセスを担っています。バス路線は杵築市中心部、大分空港、国東方面、そして、ハーモニーランド方面へと繋がっています。

隣の駅

杵築駅の隣の駅は、日豊本線で中山香駅と大神駅です。特急「にちりん」は全列車が停車し、「ソニック」と「にちりんシーガイア」の一部も停車します。

まとめ

杵築駅は、歴史と現代が融合した魅力的な駅です。木造駅舎や武家屋敷風のデザイン、そして便利な設備と、訪れる人々を温かく迎え入れています。地域の交通拠点としての役割に加え、観光の玄関口としての機能も持ち合わせ、これからも杵築市の発展に貢献していくことでしょう。

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