松木東江

松木 東江について

松木 東江（まつき とうこう、1836年 - 1891年）は、江戸時代後期から明治時代にかけて活躍した著名な浮世絵師及び版元です。彼は、四代目大黒屋平吉として知られており、浮世絵の出版において重要な役割を果たしました。彼の本籍地は両国吉川町で、名は平吉、号は東江です。

来歴

松木東江は、小林清親の弟子だったとも言われています。彼は、浮世絵の版元である大黒屋平吉の四代目として、多くの浮世絵を世に送り出しました。特に、明治7年から明治15年の間には、東京地本彫画営業組合の組合長を務め、浮世絵の発展に寄与しました。

彼の版元としての活動は、1860年代から始まりました。実際、明治9年1月に小林清親のデビュー作である「東京五大橋之一 両国真景」と「東京江戸橋之真景」を出版したことは、彼の名声の基となりました。さらに、明治12年頃までには、清親による東京名所絵を約20点も刊行しているため、彼の存在は浮世絵界に大きな影響を与えました。

また、明治10年（1877年）には楊洲周延の「征韓論之図」といった作品を発表し、これらはその時代の重要な作例とされています。歌川国郷や歌川貞秀、2代目歌川国輝など多くの著名な絵師たちの作品も手掛けており、特に歌川派の絵師による開化絵や井上安治の錦絵の出版にも尽力しました。彼は静物画や花鳥動物画の作品も手がけており、特に明治10年から明治13年の間に合計9点の作品を発表しました。

明治18年には、家督を5代目大黒屋平吉である平七に譲り、自らは明治20年頃に開化絵などの作品を残しています。彼は51歳でこの世を去り、墓は江東区白河の雄松院にあります。

代表作と出版作品

彼の代表的な作品には「新発明　壱人ニシテ拾人ニ通ス糸取機械ノ図」や「富士川大合戦図」といった大判の錦絵があります。また、松木東江が出版した他の作品には、次のようなものがあります：

• - 2代歌川国輝による「上州富岡製糸場之図」
• - 小林清親の「東京銀座街日報社」
• - 小林清親の「猫に提灯」
• - 楊洲周延の「征韓論之図」
• - 井上安治の「蠣売町川岸の図」
• - 歌川豊宣の「板垣君遭難之図」
• - 小林清親の「旅宿の花」

これらの作品はいずれも、明治時代の浮世絵の変化と進化を示す重要な証であり、松木東江の業績と影響力を物語るものです。彼の貢献は、今日においても日本の浮世絵研究において重要な位置を占めています。

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