桐山清澄

桐山清澄九段：将棋界のレジェンド、その生涯と功績

桐山清澄九段は、1947年奈良県生まれの将棋棋士です。棋士番号93番。増田敏二六段門下として1966年4月にデビュー。長年にわたり第一線で活躍し、996勝という偉大な記録を残しました。その棋士人生は、まさに波瀾万丈であり、多くの将棋ファンを魅了し続けてきました。

9歳で将棋の道へ

5歳の頃、縁台将棋を見て将棋の虜になった桐山九段は、9歳で升田幸三門下となり上京。内弟子として厳しい修業の日々を送りましたが、慣れない環境に馴染めず、一度は故郷に帰郷しています。その後、増田敏二六段門下として将棋の道を歩み始めました。奨励会では、卓越した才能を発揮。関西優勝を果たすも、惜しくも昇段を逃した経験を経て、1966年にプロ棋士となりました。

順位戦での活躍とタイトル獲得

プロ入り後は、順位戦で着実に実力をつけ、A級八段に昇段。12期連続でA級に在籍するなど、その安定した強さを示しました。1975年には王座戦で中原誠名人を破り、初のタイトルを獲得。続く1984年には、棋王戦で米長邦雄四冠を下し、念願のタイトル「棋王」を獲得。米長の永世棋王を阻止するという快挙を達成しました。また、1986年には棋聖位を獲得し、3連覇を達成するなど、タイトル戦でも大きな成功を収めました。1988年には、第1期竜王戦1組優勝という栄冠も手にしています。

「いぶし銀」の棋風

桐山九段の棋風は、攻めを重視する積極的なスタイル。巧みな銀の使い方から「いぶし銀」の異名を取りました。また、独特の戦法を駆使し、相手を翻弄する将棋を得意としました。その将棋は、非常に個性豊かで、多くの棋士から一目置かれる存在でした。川口篤氏（当時河口俊彦六段）も「桐山将棋を語るのはなかなか難しい」と評するほど、独自の奥深さを持っていました。

デジタル技術への先進的な取り組み

桐山九段はデジタル技術にも早くから関心を持ち、パソコンを積極的に活用。1995年頃からは、淡路仁茂九段らの協力を得て、棋譜データベースの導入を推進するなど、将棋界の発展にも貢献しました。

996勝と惜しまれつつ引退

2007年には公式戦通算900勝を達成。史上9人目、59歳での達成は最年長記録でした。69歳でNHK杯テレビ[[将棋トーナメント]]本戦出場を果たすなど、還暦を超えても第一線で活躍を続けました。しかし、近年は年齢による衰えもあり、公式戦では連敗が続きました。2022年、惜しまれつつ、通算996勝で現役を引退しました。1000勝という大台には届きませんでしたが、彼の将棋界への貢献は計り知れません。

人間味あふれる人物像

桐山九段は棋士としての卓越した能力だけでなく、人間味あふれる人物としても知られています。名前の読み方「きよずみ」を長らく「きよすみ」と誤読されていたエピソードや、酒が飲めないという意外な一面など、彼の飾らない人柄は多くの人の心を掴みました。公益財団法人高槻市文化スポーツ振興事業団理事長を務め、2018年からは「桐山清澄杯将棋大会」を開催するなど、将棋界発展にも貢献しています。

桐山清澄九段の足跡

桐山清澄九段の棋士人生は、努力と才能、そして個性あふれる将棋で彩られていました。996勝という記録は、彼の生涯をかけた情熱の証です。その功績は、これからも将棋界に語り継がれていくでしょう。

主な成績

獲得タイトル：棋王1期、棋聖3期
タイトル戦登場：名人戦1回、十段戦1回、王座戦1回、棋王戦2回、棋聖戦5回
一般棋戦優勝：7回
将棋大賞：複数回受賞

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