桐竹勘十郎

桐竹勘十郎について

桐竹勘十郎（きりたけ かんじゅうろう）は、日本の伝統芸能である浄瑠璃において、名高い人形遣いの名跡として知られています。桐竹勘十郎の名は、3代にわたって継承され、今に至るまで浄瑠璃界で重要な位置を占めています。それぞれの代が持つ独自の背景や業績は、日本の文化における人形遣いの職業の深さを物語っています。

初代 桐竹勘十郎

初代の桐竹勘十郎は、その生没年は不明ですが、江戸時代に活躍したとされています。彼は桐竹姓の創始者であり、延宝時代に虎屋座で立ち役として人気を博しました。その後、天和時代から元禄時代にかけて人形遣いとしてのキャリアを積み、浄瑠璃の世界に多大な影響を与えました。彼の名前は、初代から引き継がれる勘十郎という名跡の起点となり、歴史的な意義を持っています。

2代目 桐竹勘十郎

次に、2代目桐竹勘十郎（本名・宮永豊）は、1920年1月5日に佐賀県唐津市で生まれました。彼は1932年に高校を卒業後、2代目桐竹紋十郎に入門し、桐竹紋昇の名で活動を始めました。彼の初舞台は1933年で、立ち役としてその実力を発揮し、特に荒物の演技において優れた才能を持っていました。

1951年には2代目勘十郎を襲名し、その後も活躍を続けました。1978年には国立劇場優秀賞を受賞し、1982年には重要無形文化財の保持者として認定され、「人間国宝」となりました。彼の家族には、女優の三林京子（落語家として3代目桂すずめ）がおり、伝統芸能の交流を深めています。晩年の彼の墓所は天王寺法仙寺にあり、戒名は「文楽院豊譽桐竹勘十居士」とされています。

3代目 桐竹勘十郎

3代目の桐竹勘十郎は、1953年3月1日に大阪市で生まれました。彼の本名は宮永豊実で、姉は女優の三林京子です。1967年には文楽協会の人形部研究生となり、翌年に3代目吉田簑助に師事しました。彼は吉田簑太郎の名で初舞台を踏み、師匠から女形の技術を、父からは男役の技能を学びました。

2003年に父の名を受け継ぎ、3代目勘十郎を襲名します。その後、様々な文化活動において成果を上げ、2008年には芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章を受賞しました。2010年には日本芸術院賞、2012年には大阪文化賞を受賞し、2013年4月からは京都文教大学の客員教授として教鞭を執っています。さらに、2016年には毎日芸術賞を受賞し、2021年には重要無形文化財保持者として認定され、人形浄瑠璃の世界での地位を確立しました。

桐竹勘十郎の名に続く歴史は、浄瑠璃の発展と共に息づいており、その芸術は日本文化の中で重要な一部を形成しています。

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