桜新町

桜新町（さくらしんまち）

桜新町は東京都世田谷区に属する町で、特に桜新町一丁目と二丁目から成り立っています。郵便番号は154-0015で、地域は玉川地域に位置しています。この街は東急田園都市線の桜新町駅を中心に広がっており、駅の南側が一丁目、北側が二丁目となっています。駅前には歴史ある商店やファーストフード店、スーパーマーケットが並び、周囲には弦巻、深沢、新町といった住宅地が広がります。この地域は世田谷区の深沢、用賀、弦巻、新町に隣接しています。

近年マンションが増え、人口が急激に増加している桜新町ですが、かつては一丁目に畑、二丁目に町工場が立ち並んでいました。駅前には昔ながらの世田谷目黒農業協同組合があり、その名残を感じることができます。地域内には珍しい準工業地域も残っており、深沢七丁目と八丁目の桜並木は「桜のトンネル」として知られています。この美しい風景は、1933年に発行された『玉川電車名所図会』にも記載されています。

桜新町の地価は年々上昇傾向にあり、2024年の公示地価では一平方メートルあたり95万円に達しています。これは、2019年や2022年のそれと比べても大きな上昇です。

この地域の歴史を遡ると、万治年間に武蔵国荏原郡世田ヶ谷村から独立して開拓された農地が新町の起源です。1912年から1913年にかけては、高級別荘地「新町分譲地」が造成され、桜の並木が作られたことから、後に桜新町と名付けられることとなります。1932年に桜新町駅が設置され、地域の発展を促しました。1968年には住居表示が実施され、桜新町という名称が正式に使用されるようになりました。

桜新町はまた、人気の漫画『サザエさん』の舞台としても知られています。原作者の長谷川町子はこの地域に居住しており、彼女の自宅が現在は長谷川町子美術館になっています。この美術館では、サザエさんの原画などが展示されており、訪れる人々に親しまれています。駅と美術館を結ぶ道は「サザエさん通り」と名付けられ、街のあちこちにはサザエさんのイラストが描かれています。

さらに、桜新町には地域活性化のための多くのイベントが開催されています。春の「さくらまつり」や、夏の「サザエさんまつり」、秋の「桜新町ねぶた祭り」など、地域の人々や訪問者が集まり、賑わいを見せます。また、1940年代からの集団就職ブームの発祥地ともされており、新潟県や千葉県から多くの若者が桜新町の商店で働くようになりました。

桜新町の交通は、東急田園都市線の桜新町駅を中心にスムーズで、バス路線も整備されています。地域には高級な別荘地もあり、周辺の施設には大学や多くの企業が所在しています。このように、桜新町は歴史と文化が交差する魅力的な地域として、多くの人々に愛されているのです。

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