榛名神社

榛名神社（はるなじんじゃ）

榛名神社は、群馬県高崎市榛名山町に位置する歴史深い神社です。設立は古く、式内社に分類され、上野国六宮としての地位を持ちます。旧社格は県社で、周囲の自然環境と深く結びついて運営されてきました。

概要

榛名神社は上毛三山の一つである榛名山の神々を祀る場所です。現在の主祭神は火の神・火産霊神（ほうむすびのかみ）と、土の神・埴山姫神（はにやまひめのかみ）です。さらに、水分神、高靇神、闇靇神、大山祇神、大物主神、木花開耶姫神など、多くの神々も同社で祀られています。

境内にある古代の僧坊跡からは、この神社が神仏習合の歴史を持つことが伺えます。中世以降は「満行権現」と呼ばれ、本地は地蔵菩薩とされ、近世には榛名山巌殿寺という寺院としても名が知られました。境内には現存する三重塔（神宝殿）があり、歴史的な背景を持つことがわかります。近世には、榛名神社の祭神が上段に埴山神を配置するなど、多様な祭神構成も確認されています。

近年、榛名神社の社叢は群馬県の緑地環境保全地域に指定され、自然との共生も考えられた管理が進められています。

歴史

榛名神社の起源は、綏靖天皇の時代にまで遡るとされます。饒速日命（にぎはやひ）はその子を伴い、山中に神籬（かむは）を立てて神々を祀ったと言い伝えられています。用明天皇元年（586年）、祭祀の場が創建されたという歴史も伝えられています。文献上での初見は延喜式神名帳に記載された927年のもので、上野国の十二社の一社として名を連ねています。

古代の榛名山は「いかほのねろ」と呼ばれ、伊香保神社とともに信仰の対象になっていました。この二つの神社は、それぞれ異なる地域から異なる神を敬い、共存していたと考えられています。南北朝時代などを経て、神仏習合の流れが続き、榛名神社は一時期、神社としてだけでなく、寺院としても重要な役割を果たしました。中世には多くの文書により榛名寺としての様子が記録されています。

近世には神仏分離の影響で、榛名神社のあり方が大きく変化しました。明治時代には新たに神職が任命され、仏教的な要素が排除されることとなります。この時期の活動は「神宝殿」と呼ばれる三重塔をはじめ、いくつかの文化財とも関わりが深いです。

榛名講

江戸時代には、「榛名講」と呼ばれる宗教的集まりが広がりを見せました。榛名神社を信仰するこの講の構成員は各地で集まり、挨拶や参拝を行いました。各坊の御師が重要な役割を果たし、榛名講は信仰の普及に貢献しました。この講の活動は、多くの信徒を集め、榛名山の祭りや行事を盛り上げました。

期を越えた参拝や祭りの伝承によって、榛名神社は地域の重要な文化の一部として大切にされてきたのです。

文化財

榛名神社には多くの文化財が存在し、その中でも重要文化財として指定された建物や道具がたくさんあります。特に、社殿や神楽殿はその美しさから多くの訪問者を魅了しています。神社の社殿は春日造や入母屋造の特徴を持ち、華やかな装飾が施されています。

今後も文化財の保護作業は続けられ、地域の重要な歴史と文化として多くの人々に愛されていくでしょう。榛名神社はその信仰の歴史と同様に、訪れる者に多くの魅力を提供し続けています。

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