横浜にぎわい座

横浜にぎわい座：横浜の伝統芸能と現代文化が交差する場所

横浜市中区野毛地区に位置する横浜にぎわい座は、2002年4月に開場した横浜市立の大衆芸能専門館です。正式名称は横浜市芸能センターで、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が管理・運営しています。

歴史と背景：賑わいを取り戻す、街の願い

横浜開港以来、多くのエンターテイメントが栄えた野毛地区。明治時代には芝居小屋や寄席が数多く建ち並び、川上一座や福井一座といった人気一座が活躍しました。長谷川伸の「横浜音頭」もこの地で生まれ、東京でも公演されるほどの人気ぶりでした。大正時代には、横浜座での連鎖劇が話題を呼び、漫才の横山エンタツ・花菱アチャコも賑座の後継である朝日座で人気を博しました。しかし、昭和以降はラジオ、映画、テレビの台頭により、伝統的な芸能文化は衰退していきました。

2004年の横浜高速鉄道みなとみらい線開業に伴い、東急東横線桜木町駅が廃止されると、地域住民からは街の活気を取り戻したいという声が上がり、落語家桂歌丸氏の提案で寄席建設の計画が持ち上がります。そして、2002年、高秀秀信横浜市長のもと、中税務署跡地に横浜にぎわい座が誕生しました。

2020年には新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時休館となりましたが、感染対策を徹底し、現在は再び活気ある公演が行われています。

施設概要：多様な芸能に対応する空間

横浜にぎわい座は地上5階から地下2階までの建物で、寄席芸はもちろん、大道芸、奇術など、あらゆる大衆芸能に対応できる設備を備えています。建物入り口上部には、江戸時代の芝居小屋の印である櫓を模したオブジェが設置され、現代的なデザインと伝統的な要素が融合した独特の雰囲気を醸し出しています。

3・4階：391席の芸能ホール（3階には売店あり）
2階：総合案内、情報コーナー、記念撮影コーナー
1階：エントランス、店舗
B2階：小ホール「のげシャーレ」

寄席文字橘流の橘右雀による文字装飾も見どころのひとつです。

多彩な番組制作：テレビ番組の収録拠点としても活用

横浜にぎわい座は、数々のテレビ番組の収録にも利用されてきました。特に、日本テレビ系列『笑点』の兄弟番組である『笑点Jr.』の公開収録会場として知られており、地上波『笑点』の収録も行われました。他にも、『らくらくゴーゴー!』、『名作傑作落語選』などの収録が行われています。

貴重な資料展示：歴史と文化を伝える演芸資料館

館内には演芸資料館があり、笑点の大喜利で林家たい平が獲得した「タイの石」や、初代館長玉置宏氏の肖像画（八代亜紀作）などが展示されています。

アクセスと利用状況

東日本旅客鉄道根岸線・横浜市営地下鉄 桜木町駅
京浜急行電鉄 日ノ出町駅
横浜市営バス、江ノ電バス 桜木町・野毛大通り停留所

芸能ホールは、前半を寄席公演、後半を貸しホールとして、様々なイベントに使用されています。小ホール「のげシャーレ」は若手芸人の育成や、プロレス興行などにも利用されています。

歴代館長

玉置宏 (2002年4月 - 2010年2月)
桂歌丸 (2010年7月 - 2018年7月)
布目英一 (2019年7月 - )

周辺情報

横浜にぎわい座周辺には、横浜能楽堂、野毛山公園、野毛山動物園、掃部山公園など、多くの文化施設や緑地があります。横浜観光の拠点としても最適な場所です。

横浜にぎわい座は、伝統芸能と現代文化が融合する、魅力的なエンターテイメント空間です。横浜を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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