野毛山動物園

横浜市立野毛山動物園

横浜市西区の野毛山公園内にある横浜市立野毛山動物園は、無料で入園できる都市型動物園として、長年市民に親しまれています。100種1,000点以上もの動物を飼育しており、都心にありながらも充実した動物たちとの出会いが楽しめます。

特徴

豊富な動物種: インドライオン、アミメキリン、チンパンジー、レッサーパンダ、フンボルトペンギンなど、人気の動物たちが多数飼育されています。
爬虫類展示館: 室内温度が一定に保たれた爬虫類専用の展示館があり、ワニ類やリクガメなどが飼育されています。特にリクガメの飼育保護は人気があります。
無料入園: 開園当初から入園料が無料であるため、気軽に訪れることができます。
柳宗理デザイン: 園内には、インダストリアルデザイナー柳宗理がデザインした吊り橋風歩道橋「野毛のつり橋」があります。また、標識や看板類も柳のデザインが用いられています。
かつての人気動物: ズーラシア開園以前は、ライオン、キリン、ホッキョクグマ、ゾウなど人気の高い動物が多数飼育されており、「いないのはジャイアントパンダくらい」と言われていました。現在は多くの動物がズーラシアに移管しましたが、その分、飼育スペースが広がり、動物たちの生活環境はより良くなっています。
ホッキョクグマ舎: かつてホッキョクグマが飼育されていた「しろくまの家」は、移管後も飼育当時の状態を維持し、実物大のクマの模型を展示して、通常見ることができない飼育舎の内部を見学できます。

運営

2008年4月1日から指定管理者制度が導入され、横浜市緑の協会が管理運営を行っています。

基本情報

休園日: 毎週月曜日（祝日の場合は翌日、5月10月は無休）、12月29日～1月1日
開園時間: 9:30～16:30（入園は16:00まで）
入園料: 無料

歴史

野毛山動物園は、1951年に野毛山遊園地として開園しました。その後、遊園地は閉鎖されましたが、動物園は無料の社会教育施設として存続することになりました。開園以来、数々の動物の繁殖に成功しており、日本初の繁殖例も多数あります。特に、アジアゾウの「はま子」は長年親しまれていましたが、2003年に老衰により亡くなりました。また、2014年には、世界最高齢のフタコブラクダ「ツガル」が亡くなり、多くの人に惜しまれました。

以下に主な出来事を記します。

1951年：野毛山遊園地として開園、アジアゾウ「はま子」が来園
1952年：ヒョウの日本初の繁殖に成功
1953年：日本で初めてブラックバックの繁殖に成功
1954年：日本で初めてヒトコブラクダの繁殖に成功
1955年：日本で初めてアカカンガルーの繁殖に成功、博物館相当施設に指定
1956年：日本で初めてオシドリの繁殖に成功
1957年：2頭目のアジアゾウ「マリ子」来園
1964年：遊園地閉鎖、動物園は「野毛山動物園」として存続
1965年：日本で初めてナマケグマの繁殖に成功
1969年：日本で初めてワオキツネザルの繁殖に成功
1971年：日本で初めてナマケグマの人工繁殖に成功
1972年：世界で2番目にコンドルの繁殖に成功
1974年：日本で初めてボウシテナガザル、カラカルの繁殖に成功
1977年：日本で初めてレイサンガモの自然繁殖、人工繁殖に成功
1980年：日本で初めてドールの繁殖に成功
1982年：フタコブラクダの「ツガル」が入園、入園者数100万人突破
1983年：日本で初めてウンピョウの繁殖に成功
1985年：日本で初めてオオアリクイの繁殖に成功、グレビーシマウマの人工繁殖に成功
1987年：アジアゾウ「マリ子」が急死
1989年：ニューカレドニアからカグー来園
1990年：日本で初めてカグーの人工、自然繁殖に成功
1992年：日本で初めてエジプトリクガメの自然繁殖に成功
1997年：日本で初めてエミスムツアシガメの人工繁殖に成功
2001年：開園50周年記念式典開催、ゾウ「はま子」に市長功労賞授与
2002年：リニューアルオープン
2003年：アジアゾウ「はま子」が死亡
2006年：日本で初めてインドセタカガメの人工繁殖に成功
2007年：累計入園者数が5,000万人を突破
2008年：日本最高齢のライオン「モドリ」死亡
2009年：日本で初めてホウシャガメ、ハミルトンガメの繁殖に成功、ブロンズトキの人工繁殖に成功
2014年：世界最高齢のフタコブラクダ「ツガル」が死亡、年間入園者数が100万人を突破
2016年：日本で初めてヘサキリクガメの繁殖に成功
2020年：京急本線日ノ出町駅の副駅名に「野毛山動物園」が設定
2021年：開園70周年記念感謝祭

交通アクセス

京急本線「日ノ出町駅」下車徒歩約10分
根岸線（JR東日本）・横浜市営地下鉄ブルーライン「桜木町駅」下車徒歩約15分
横浜市営バス89系統「野毛山動物園前」下車すぐ
* 横浜駅東口よりタクシーで約15分

分園

旭区のこども自然公園内には、万騎が原ちびっこ動物園があり、野毛山動物園の分園として運営されています。

その他

野毛山動物園は、多くの人に愛され、長年にわたり横浜市民の憩いの場となっています。無料で気軽に動物たちと触れ合える貴重な場所として、今後も多くの人に親しまれることでしょう。

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