次亜塩素酸水

次亜塩素酸水についての詳細

次亜塩素酸水とは、2002年に食品添加物（殺菌料）として認可された、安全性の高い酸性電解水のことです。この水は主に、塩酸（HCl）や塩化ナトリウム（NaCl）を電気分解することで生成され、一般的に10〜80ppmの有効塩素濃度を持っています。このため、次亜塩素酸水は食品加工や器具の洗浄・消毒の目的で大量に使用されています。

製造方法と種類

次亜塩素酸水を生成するには専用の装置が必要であり、製造基準は2017年に制定されたJIS B 8701によって定められています。この装置では、塩化ナトリウム水溶液や塩酸水を電気分解することにより、次亜塩素酸（HClO）が主成分とされる水溶液が得られます。次亜塩素酸水には強酸性、弱酸性、微酸性の3種類があり、それぞれのpHや塩素濃度によって用途が異なります。

安全性と有効性

次亜塩素酸水は、厚生労働省や食品安全委員会からの評価に基づき、人の健康を損なうリスクがないとされています。急性毒性や遺伝毒性に関する試験でも異常は見つかっておらず、安全に利用できると確認されています。また、次亜塩素酸水は感染症対策にも利用されており、特に新型コロナウイルスに対しての効果が期待されています。

国立感染症研究所や経済産業省の調査により、次亜塩素酸水が一定濃度で一定時間作用すれば有効であることが示されています。具体的には、35ppm以上で20秒以上の流し用、または80ppm以上での拭き掃除が効果的とされています。

使用方法

次亜塩素酸水を使用する際は、まず有効塩素濃度が適正であることを確認することが重要です。食品に使用する場合は、表面の汚れを十分に洗い流した後、次亜塩素酸水で洗浄します。器具や機械の消毒に用いる際も、有機物をまず除去してから行うべきです。手指の洗浄には、石鹸での前処理を行った後、次亜塩素酸水でしっかりと消毒します。

他の関連製品

次亜塩素酸水は、次亜塩素酸ナトリウムなどに由来する製品とは異なり、専用装置で製造されるため、安全性が確保されています。しかし、市販される他の製品が次亜塩素酸水と名乗る場合もあるため、それらの製品の成分や製法については注意が必要です。例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウムやジクロロイソシアヌル酸ナトリウム水溶液など、製造方法や成分が異なるため、それぞれの安全データを確認することが重要です。

まとめ

次亜塩素酸水は、食品添加物としての基準がしっかりと定められており、安全性と効果が実証されています。食品の衛生管理や消毒に効果的な次亜塩素酸水を正しく利用することで、より清潔な環境を保つことができます。使用の際は、必ずその濃度と使用方法を確認し、適切に活用してください。

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