江部乙駅

江部乙駅（えべおつえき）は、北海道滝川市江部乙町西12丁目に位置する、北海道旅客鉄道（JR北海道）函館本線の駅です。駅番号はA22、電報略号はエオで、事務管理コードは▲120101です。当駅より旭川方面はJR北海道旭川支社の管轄となります。

歴史

江部乙駅は、1898年（明治31年）7月16日に北海道官設鉄道の駅として開業しました。開業当初は滝川駅から約7.7kmの地点に位置する一般駅でした。

1901年（明治34年）には、駅周辺の泥炭地が農業や家屋の建設に適さず、発展が見込めなかったため、現在地（函館起点378.2km地点）に移転しました。

1905年（明治38年）4月1日には、官設鉄道（国有鉄道）に移管されました。

1926年（大正15年）2月には、駅舎の老朽化に伴い、わずかに北方に移して改築（3代目駅舎）が行われ、木造の跨線橋が設置されました。

1952年（昭和27年）10月には、新駅舎（4代目駅舎）の建築が着手されました。これは、第二次世界大戦終戦後の江部乙町（当時）の人口増加により、既存の3代目駅舎・跨線橋が狭く危険であるとして、関係各所から改築の請願が出されていたためです。

1953年（昭和28年）2月10日には、4代目駅舎（現駅舎）での業務が開始され、同年2月27日に竣工しました。

1954年（昭和29年）9月26日には、台風15号（洞爺丸台風）により跨線橋が崩壊する被害を受けました。

1955年（昭和30年）2月1日には、鉄筋コンクリート製の新しい跨線橋が完成しました。

1964年（昭和39年）7月には、翌月にかけ下りホームの増設と跨線橋の拡張が行われました。

1966年（昭和41年）4月には、複線化の準備のため、転轍機・信号機の移設が開始され、同年9月29日には、当駅の滝川方に所在した深沢信号場から当駅までが複線化されました。

1969年（昭和44年）10月1日には、滝川駅 - 旭川駅間の電化に伴い、急行「かむい」1往復の停車が開始されました。

1982年（昭和57年）11月15日には、貨物扱いが廃止されました。

1984年（昭和59年）2月1日には、荷物扱いが廃止され、同年11月10日には営業が無人化されました。ただし、出札業務は継続され、運転要員のみが配置されました。

1987年（昭和62年）4月1日には、国鉄分割民営化により、北海道旅客鉄道（JR北海道）の駅となりました。

1997年（平成9年）12月19日には、運転業務が無人化され、出札業務は簡易委託で継続されました。

2001年（平成13年）2月4日には、下り特急が分岐器凍結のために立ち往生し、除雪作業員が作業していたところ、上り特急「ライラック」22号にはねられて2名が死亡するという痛ましい事故が発生しました。

2003年（平成15年）4月1日には、簡易委託が廃止され、完全な無人駅となりました。

2018年（平成30年）3月17日のダイヤ改正により、平日のみ運転されていた当駅発着列車が廃止されました。

2024年（令和6年）3月16日には、ICカード「Kitaca」の利用が可能となりました。

駅名の由来

駅名は所在地名に由来します。地名はアイヌ語の「ユペオッ（yupe-ot）」（チョウザメ・たくさんいる）、あるいは「イペオチ（ipe-ot-i）」〔魚が・多く・いるところ（サケの多くいる所）〕から来ているとされています。

駅構造

江部乙駅は、2面3線の単式・相対式ホームを持つ駅です。ホーム間は跨線橋で連絡しています。現在は深川駅が管理する無人駅で、かつては有人駅でしたが、その後簡易委託を経て窓口業務が全て廃止されました。駅舎内には閉鎖された出札窓口が残されています。出改札業務などを行う駅員はいませんが、旧事務室は冬季に駅構内の除雪作業を行う職員の詰所として利用されています。

利用状況

駅周辺は、滝川市と合併する前の江部乙町の中心駅であったため、小さな街としての形態が整っています。駅前には温泉旅館や商店が残っており、徒歩5分の位置に江部乙市街があります。幹線道路沿いには郵便局などの金融機関や公共施設、商店街が並んでいます。路線バスも幹線道路沿いに停車します。

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