河内永和駅

近鉄河内永和駅：歴史と現状

近鉄奈良線河内永和駅は、大阪府東大阪市高井田元町に位置する、近畿日本鉄道が運営する駅です。駅番号はA07。この駅の歴史は、宗教団体との深い関わりから始まります。

始まりは「人ノ道駅」

1934年、布施町にひとのみち教団（現・パーフェクトリバティー教団）が仮本殿を建設しました。その最寄り駅として、1936年8月1日、人ノ道駅が開業しました。しかし、教団を取り巻く状況は長く続きませんでした。1937年、教団の二代目教主が不敬罪で逮捕され、教団は解散を命じられます。これに伴い、わずか一年足らずで、人ノ道駅は同年4月22日に営業を休止しました。

駅の変遷と発展

その後、1938年2月1日、駅は「大軌永和駅」として営業を再開し、常設駅となりました。駅名の由来は、駅南側に広がる永和という地名です。この地名は、かつての永和村に遡ります。永和村は、複数の集落が荒川村からの独立を目指して争った末、明治時代に誕生した村です。「末永く平和であるように」との願いを込めて名付けられたと言われています。

1941年3月15日には、関西急行鉄道の駅となり、「河内永和駅」と改称されました。さらに1944年6月1日、近畿日本鉄道の駅となりました。1977年6月26日には高架化が完成し、現代の駅の姿が整いました。2007年4月1日にはICカード「PiTaPa」が利用可能になり、2008年3月15日にはJRおおさか東線のJR河内永和駅が開業し、乗換駅となりました。

駅構造と利用状況

河内永和駅は、相対式2面2線のホームを持つ高架駅です。改札口は2階、ホームは3階に位置し、改札口は1か所のみです。布施駅管理の有人駅で、PiTaPa・ICOCA対応の自動改札機や自動精算機が設置されています。

2022年11月8日時点の1日平均乗降人員は約12,540人と、多くの人が利用する駅です。

駅周辺の環境

駅周辺は、旧布施市の官庁街として栄えた歴史があり、多くの公共施設が集中しています。東大阪法務合同庁舎、東大阪区検察庁、大阪法務局東大阪支局、東大阪簡易裁判所、東大阪税務署、東大阪年金事務所、東大阪商工会議所、東大阪市立永和図書館など、行政・司法・公共サービス関連の施設が充実しています。また、布施郵便局や金融機関の支店、小阪病院なども近隣にあります。

商業施設も充実しており、駅周辺には商店街やスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどが複数あります。さらに、大阪樟蔭女子大学小阪キャンパスや大阪そろばん連盟本部も近隣にあります。

交通アクセスも良好で、バス路線も整備されています。2021年7月1日からは、大阪バスによってJRおおさか東線高架下付近に「東大阪永和駅」停留所が新設され、高速バス（東京特急ニュースター号など）も乗り入れています。ただし、京都特急ニュースター号は2023年8月ダイヤ改正で当停留所への乗り入れを休止しています。

近隣の駅

近鉄奈良線では、布施駅と河内小阪駅に隣接しています。快速急行、急行、準急、区間準急は通過するため、普通電車のみ停車します。

近鉄河内永和駅は、歴史と現代が交差する、利便性の高い駅です。周辺の公共施設や商業施設、そしてJR河内永和駅との乗換利便性から、今後も東大阪市の重要な拠点として機能していくことが期待されます。

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