海南島

海南島の概要

海南島は中華人民共和国の海南省に属する最大の島で、南シナ海の北部に位置しています。東西約300キロメートル、南北約180キロメートル、面積は33,210平方キロメートルを誇り、九州よりも少し小さいとされています。また、海南島の人口は2010年時点で867万人に達しています。

位置と地域

海南島は広東省の雷州半島と瓊州海峡を挟み、南に位置しています。島の東と南は南シナ海、西側はトンキン湾に接しています。台湾を除く中華人民共和国の島の中で最大で、世界的にも42番目の大きさを誇ります。

歴史と文化

海南島には古来より黎族や苗族、壮族などの少数民族が生活してきました。かつては広東省に属していましたが、1988年には海南省として独立し、経済特区となったことから、多くの漢族人口が移住しました。2010年には政府が海南島を「国際観光島」として開発を進め、観光産業が急成長しました。このため海南島は「中国のハワイ」と呼ばれることもあります。毎年ボアオ・アジア・フォーラムが開催され、国際的な交流の場となっています。

地形の特徴

海南島の地形は複雑です。北部は平坦な平地や小規模な丘陵が広がっており、主に火山の噴出物や浅海に蓄積した粘土によって形成されています。中南部には厳しい山岳地帯が広がっており、その主要な山脈には五指山脈や黎母嶺山脈があります。広東省とほぼ同じ方向に走るこれらの山脈は、最高峰の中指山が1,840メートルに達し、地域のランドマークとなっています。

気候と植生

海南島は北部が温帯、南部が熱帯に分類され、年間降水量は1,500ミリメートル以上と恵まれています。この気候条件により、米やさとうきび、落花生などの農作物が生育し、また、ゴムや胡椒、コーヒーなどの熱帯作物も栽培されています。海南島は中国の熱帯・亜熱帯性作物の主要産地として知られ、800種以上の木材資源も存在します。

経済状況

海南島の経済は主に農業に依存しており、輸出の多くを占めています。経済特区としての発展が進んでいるものの、水力発電に依存しているため、工業は限定的な発展に留まっています。観光業も重要な産業であり、近年不動産投資が急激に増加しています。

資源・港湾・交通

海南島は金や鉄鉱石といった鉱産資源が豊富で、特に海口港と楡林港は重要な港として位置づけられています。海口美蘭国際空港と三亜鳳凰国際空港があるほか、鉄道も整備されており、広東省との連絡もスムーズです。

結語

海南島はその美しい自然環境と多様な文化によって、観光地として世界中から注目を集めています。また、経済特区としての発展を続けており、ますます重要な地域となっていくことでしょう。

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