清凉寺

清凉寺の紹介

清凉寺（せいりょうじ）は、京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町に所在する浄土宗の寺院であり、山号は五台山（ごだいさん）、本尊として安置されているのは釈迦如来です。この寺の開基は奝然（ちょうぜん）で、その後、弟子の盛算（じょうさん）が開山を務めました。他にも嵯峨釈迦堂（さがしゃかどう）という名でも知られています。

歴史

清凉寺の歴史は非常に興味深いもので、2つの寺院、すなわち棲霞寺（せいかじ）と本寺の清凉寺が密接に関連しています。

棲霞寺の創建

もともとこの場所には、嵯峨天皇の皇子である源融（みなもとのとおる）の別荘がありました。源融は『源氏物語』の主人公光源氏のモデルとも言われています。彼の一周忌である寛平8年（896年）に、源融が生前に安置を願っていた阿弥陀三尊像がその子息によって造られ、阿弥陀堂が設けられて棲霞寺が創建されました。

清凉寺の成立

その数十年後、東大寺出身の僧侶奝然が宋に渡り、五台山を巡礼しました。845年、彼は台州の開元寺で釈迦如来を模刻することを命じ、帰国後の987年にこの地に釈迦像を安置しました。彼はこの像を「生身の釈迦」と称し、南都系の仏教の中心地とすることを志しましたが、最終的にその願いは果たせず、彼の死後、弟子の盛算が棲霞寺に釈迦像を安置し、寺の名前を華厳宗の五台山清凉寺に改めました。

その後、清凉寺は融通念仏宗の道場としても発展し、院内では大念仏が盛んに行われるようになります。特に、応仁の乱によって一時焼失しましたが、その後も再建され、今日に至るまで多くの信者に支えられています。

文化財と行事

清凉寺は多くの重要文化財を有し、特に釈迦如来立像（国宝）はその代表的な存在です。この像は北宋時代に作られ、古代インドの釈迦像を模したものとされています。この像の特徴的なデザインは、古代インドに見られるスタイルと共通点があり、評価されています。

境内には本堂、阿弥陀堂、霊宝館、大方丈などがあり、特に本堂は重要文化財に指定されています。また、境内には多くの墓地や文化財も点在し、歴史的な価値があります。この寺院はまた、重要無形民俗文化財として認定されている嵯峨大念仏狂言の上演が行われている場所でもあります。

毎年行われる涅槃会では、涅槃図が供養され、火祭りが執り行われます。これにより、清凉寺は地域の人々にとって重要な祭祀の場ともなっています。

アクセス

清凉寺は、京都市営バスや京都バスを利用して「嵯峨釈迦堂前」バス停から徒歩2分の地点に位置しています。ここは嵐山への観光地とも近接しており、多くの観光客が訪れる場所となっています。歴史的な背景と素晴らしい文化財を誇る清凉寺は、訪れる価値のある場所と言えるでしょう。

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