清水商事

新潟の老舗スーパー「清水フードセンター」の歴史とイオンリテールへの吸収合併

新潟県新潟市でスーパーマーケットチェーン「清水フードセンター」を展開していた清水商事株式会社は、2023年3月1日、イオンリテールに吸収合併されました。本州日本海側で初めてセルフサービスを導入した老舗スーパーとして、長年新潟市民に親しまれてきた同社の歴史と、イオンとの合併に至るまでの経緯を詳しく見ていきましょう。

創業から発展期へ

清水商事の前身は、1947年に創業者の中島清氏が開業した食料品店「大和食品マート」です。1957年には、本州日本海側初のセルフサービス型スーパーマーケットとして「清水フードセンター古町店」を開店。その後、県内他社に先駆けて店舗形態の多角化を進め、大型店舗やショッピングセンターを展開しました。1972年にはフランチャイズチェーン事業にも着手し、県内各地に多くの加盟店を持つまでに成長しました。

特に1970年代以降は、スーパーマーケットを核店舗としたショッピングセンターを複数展開。これにより、生活に必要な品物を一箇所で揃えられる利便性を提供し、地域社会に貢献しました。また、サトウ食品が展開していた「パワーズフジミ」の前身である「フジミショッピングセンター」も、当初は清水フードと提携して設立されたという歴史もあります。

激化する競争と経営合理化

しかし、近年は県内外の競合他社との競争激化により、清水商事は業績悪化に直面します。特に2008年2月期には、創業以来初めて最終赤字を計上。これを受け、同社は同年7月に経営合理化策を発表。採算の悪い店舗の閉鎖や、子会社である「フクヤ」の店舗譲渡などを実施しました。

その後も、経営改善のため様々な努力が続けられました。金融機関からの多額の借入金の返済、更地化による資産売却など、厳しい状況の中で事業継続を目指したのです。新たな店舗閉鎖は避けたいとしながらも、2010年には店舗統合や改装などを実施し、合理化を進めました。

イオンリテールとの合併

経営再建の過程で、2015年にイオンリテールと出資引受契約を締結し、イオングループ入りを果たしました。イオングループ入り後も「清水フードセンター」のブランドは維持され、イオン笹口店の惣菜コーナーに清水商事の商品が提供されるなど、両社の連携が深まりました。

しかし、経営体制の一本化を目的として、2022年9月1日には2023年3月1日付でイオンリテールに吸収合併されることが発表されました。長年親しまれてきた「清水フードセンター」という名前は、イオンリテール傘下で存続することとなりました。

清水フードセンターのポイントカードとサービス

イオングループ入り以前は、独自のポイントカード「スマイルカード」を発行していました。このカードは電子マネー機能も搭載されており、ポイントの付与や電子マネーWAONとの連携など、顧客にとって利便性の高いサービスを提供していました。

イオングループ入り後は、「イオンカード」やWAONの取り扱いを開始し、ポイントサービスも「WAON POINT」に移行しました。これにより、顧客はイオングループ全体のサービスをより便利に利用できるようになりました。

まとめ

清水商事は、創業から70年以上にわたって新潟の食文化を支えてきました。激化する競争環境の中、経営合理化やイオングループ入りなど、様々な困難を乗り越えてきました。イオンリテールへの吸収合併は、新たなステージへの転換と言えるでしょう。今後「清水フードセンター」が、イオンリテール傘下でどのような発展を遂げるのか、注目が集まります。 その歴史は、地域のスーパーマーケット業界の発展の歴史とも重なり、多くの教訓を残していると言えるでしょう。

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