溶連菌感染症

溶連菌感染症について

溶連菌感染症は、広義にはレンサ球菌属に属するグラム陽性球菌によって引き起こされる感染症のことを指します。その中でも特に一般的なものが化膿レンサ球菌（Streptococcus pyogenes）です。このため、通常「溶連菌」という言葉は主に化膿レンサ球菌を指し、その感染による症状を「溶連菌感染症」と呼ぶことが一般的です。

病原菌の種類

レンサ球菌は、Lancefieldの血清学的分類に従って、A群、B群、C群、G群などに分類されます。特にA群β溶血性レンサ球菌が最も多く観られ、これが化膿レンサ球菌に該当します。他にも、B群溶血性レンサ球菌（Streptococcus agalactiae）は膀胱炎や新生児への感染を引き起こすことが知られています。最近では、G群レンサ球菌が死亡率の高い感染症を引き起こす可能性も報告されています。

主な感染症の症状

溶連菌感染症によって引き起こされる主な上気道の感染症には、急性咽頭炎や急性扁桃炎が含まれます。これらは特に小児や青年で多く見られ、主な症状として発熱、喉の痛み、リンパ節の腫れなどが挙げられます。咽頭の発赤や腫れ、白い膿が観察されることもあります。

他にも猩紅熱という病気があり、これは乳幼児に多く見られます。猩紅熱は溶連菌が産生する毒素による免疫反応が関与しており、発疹や高熱が特徴です。

皮膚の感染症も溶連菌感染症の一部であり、伝染性膿痂疹や蜂巣炎が含まれます。この皮膚の感染症は、細菌アレルギーが関与していることがあるため、注意が必要です。合併症としては、リウマチ熱や急性糸球体腎炎、劇症型溶連菌感染症などがあります。

溶連菌感染症の診断と治療

溶連菌感染症は、喉の綿棒を使った検査や血液培養によって診断されます。特に迅速テストは感度が高く、陽性の場合はすぐに抗菌薬の投与が始まります。治療には第一選択薬としてペニシリン系の抗生物質が用いられ、通常は内服薬で治療が行われます。ペニシリンアレルギーがある場合は、マクロライド系の薬が使用されます。

予防と関連法規

感染は主に飛沫感染によって広がるため、手洗いやうがいなどの一般的な予防策が重要です。また、学校保健安全法により、感染が確認された場合は治療後24時間は登校を控える必要があります。

まとめ

溶連菌感染症は様々な症状を引き起こし、適切な診断と治療が求められます。早期発見と安全な治療が、重篤な合併症を防ぐ鍵となります。

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