扁桃炎

扁桃炎についての詳しい解説

扁桃炎は、扁桃腺がウイルスや細菌に感染し、炎症を引き起こす病気です。一般的には小児に多く見られますが、大人でも感染することがあります。原因としては、主にライノウイルスやアデノウイルス、そして細菌では溶連菌やブドウ球菌などが関与しています。特に溶連菌による扁桃炎は合併症を引き起こす可能性が高いです。

病気の進行と症状

扁桃炎は急性と慢性に分類されます。急性扁桃炎は、主に幼少期に感染しやすく、発熱や咽頭痛が主な症状として現れます。2～3歳頃から始まり、6～9歳でピークに達します。扁桃腺が腫れることで、口の奥が赤くなり、膿がつくこともあります。

大人においては、慢性扁桃炎が問題となることがあり、これは急性の症状が繰り返される状態を指します。慢性扁桃炎は免疫力が低下した際に再発しやすく、何度も高熱を伴った咽頭痛を経験することになります。

主な症状

扁桃炎の症状としては、38度以上の高熱、喉の痛み、悪寒、倦怠感、頭痛、関節痛が含まれます。また、顎下や頚部のリンパ節が腫れることがあり、特に痛みが耳や側頭部に放散することもあります。加えて、膿栓と呼ばれる白い塊が扁桃に付着する場合があります。これが扁桃を炎症させ、さらに悪化した場合には扁桃周囲炎に進行することもあります。

原因となるウイルスと細菌

扁桃炎を引き起こすウイルスには、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、EBウイルス、エンテロウイルスなどがあります。一方、細菌では溶連菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌が挙げられます。特に溶連菌感染には、急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの重篤な合併症が伴うことがあります。

治療方法

扁桃炎の治療は、症状の重さや原因に応じて異なります。ウイルス性の扁桃炎では、特効薬がないことが多く、症状に応じた対症療法が行われます。痛みを和らげるために、痛み止めや解熱剤を使用したり、うがいや湿布を行うことが効果的です。

細菌性の場合は、抗生物質による治療が一般的です。特に溶連菌感染が疑われる場合は、ペニシリン系抗生物質が効果的とされています。抗生物質の使用により、扁桃炎を引き起こす細菌を迅速に排除し、合併症を防ぎます。

手術による治療

扁桃炎が頻繁に再発する場合には、扁桃摘出術が推奨されることがあります。この手術により、慢性的な炎症や病巣感染を防ぎます。特に、年に3～4回以上扁桃腺が腫れる場合や、飲み込みにくさや呼吸に不安がある場合は手術を検討すべきです。手術は全身麻酔または局所麻酔で行われ、術後は一定期間安静が求められます。

結論

扁桃炎は一般的な感染症ですが、症状や合併症が多様であるため、早期の対策が重要です。特に小児の場合は症状が重くなりがちなので、注意が必要です。健康な生活や適切なうがい、感染への注意を心掛けることが、扁桃炎の予防に繋がります。

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