滑床渓谷

滑床渓谷は、愛媛県宇和島市と北宇和郡松野町に位置する、四万十川の支流である目黒川の最上流部、約12kmにわたって広がる渓谷です。足摺宇和海国立公園の一部を構成し、県内でも有数の景勝地として知られています。

渓谷の名前の由来は、その地質にあります。ほぼ全域が花崗岩で形成されており、長年の浸食作用によって岩肌が滑らかになっていることから「滑床」と名付けられました。

この渓谷の最大のハイライトは、落差80mの雪輪の滝です。一枚の岩盤を滑るように流れ落ちる滝の姿は、訪れる人々を魅了します。その他にも、霧ヶ滝、象頭岩、太鼓岩、千畳敷など、変化に富んだ景観が楽しめます。また、豊かな自然の中には、野生の猿や鹿が生息しており、訪れる人々に自然の息吹を感じさせてくれます。

行政区画としては、雪輪の滝をはじめ、渓谷の大部分は宇和島市に属していますが、宇和島市街から直接アクセスできる道はありません。そのため、観光開発は主に北宇和郡松野町が中心となって行われてきました。

滑床水源の森

滑床渓谷周辺の森林は、1995年に林野庁によって「水源の森百選」の一つ、「滑床水源の森」として選定されました。この地域は、鬼ヶ城山の北麓、四万十川支流である目黒川周辺に広がっています。

この森には、四国南限のブナ林やクマザサの野原、シャクナゲの群落、ヒメシャラなどの自然林が、人工林と混在しており、多様な動植物の生息地となっています。また、「美しい日本の歩きたくなるみち500選」にも選ばれており、渓流瀑の穏やかな流れと森林が織りなす四季折々の美しい景観は、訪れる人々を魅了します。

所在地は愛媛県宇和島市野川滑床で、データは1995年7月時点のものです。

アクセス

滑床渓谷へのアクセスは、国道381号線沿いの案内標識に従って、高知県道8号西土佐松野線に入ります。この道は、しばらくの間は快適な2車線道路が続きますが、目黒郵便局前で愛媛県道270号滑床松野線へ分岐した後は、狭い道幅の区間が多くなります。特に、谷側にはガードレールがなく、山側には側溝があるため、すれ違いが困難な場所が点在します。運転には十分な注意が必要です。

関連情報

美しい日本の歩きたくなるみち500選
水源の森百選
* 愛媛県の観光地

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