熊本都市バス

熊本都市バス株式会社の概要

熊本都市バス株式会社（くまもととしバス）は、熊本県熊本市中央区に本社を置き、主に熊本市南部と中心部の路線バスを運行する事業者です。略称は「都市バス」です。この企業は、熊本市営バスの民営化を受けて設立され、必要な路線と車両を引き継いで営業を行っています。

設立の背景

この会社は、熊本市交通局のバス事業を引き継ぐための受け皿として、2007年12月に九州産交バス、熊本電気鉄道、熊本バスの共同出資によって設立されました。設立当初の資本金は9,900万円でしたが、2009年4月1日から、熊本市営バスの本山車庫を含む複数の路線の運行を開始しました。

交通を取り巻く課題

公共交通機関を利用する人が減少する中、熊本市と熊本都市圏ではバス路線の再編を進めています。経営の効率化と持続可能な運営が求められる中、熊本市交通局は市営バスから民間に業務を移譲することで無駄を省き、黒字路線への転換を図ってきました。

移管とサービスの継続

路線を引き継いだ後も、運賃や本数、バス停留所の位置は変わりません。また、熊本市営バスから移管された区間においては、一定の期間内において熊本市営バスの定期券が使用可能でした。さらに、重複する路線では双方の定期券の相互利用が認められていました。例えば、年間を通じて熊本市交通局が発行する乗車券は熊本都市バスでも使用でき、2009年には新たに共通フリー乗車券の「わくわく1dayパス」「わくわく2dayパス」が導入され、市民に便利な選択肢を提供しました。

民営化の進展と路線の拡大

2015年4月には残る全ての市営バス路線が熊本都市バスに引き継がれ、民営化が完了しました。その後、熊本都市圏のバス網について、他社との競合路線の再移譲が進められることになります。また、2021年からは熊本県内のバス事業者同士が共同経営を行い、一部の路線を他社から譲受け、菊池郡にも乗り入れるようになりました。

沿革と運行状況

熊本都市バスは、熊本市内での運行において多くの経路を持ち、市営バス時代からの路線を中心に運営されています。設立以来の重要な出来事には、2010年に熊本市営バスからさらに多くの路線を譲受けたことや、地域住民のニーズに応えるための新たな運行系統の導入が含まれます。特に、2012年にはコミュニティバスとして「ゆうゆうバス」が導入されましたが、利用者の減少により多くの路線が廃止され、残った路線も2019年に運行を変更するなどして、運営の効率化を図っています。

車両とサービス

熊本都市バスでは、国産の4メーカー（いすゞ、日野、三菱ふそう、日産ディーゼル）の車両を使用しており、自社発注の新車も導入しています。特に2017年には、エルガとエルガミオの新車が導入され、運行の質が向上しました。また、車体のデザインも熊本の特性を生かしたものに変更されています。

住民との結びつき

熊本都市バスは、地域交通の重要な役割を担っているだけでなく、地域住民との相互作用も深めています。今後も地域の交通ニーズに応じたサービスを提供し続けることで、熊本市全体の交通の便をさらに向上させることが期待されます。

このように、熊本都市バス株式会社は、熊本市の街づくりと交通の未来に貢献する重要な企業となっており、今後の展開にも注目が集まります。

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