熱視線

楽曲「熱視線」について

「熱視線」（ねっしせん）は、日本のロックバンド、安全地帯による楽曲で、1985年1月25日にKitty Recordsからリリースされた8枚目のシングルです。作詞は松井五郎、作曲は玉置浩二が手掛け、その編曲は安全地帯と星勝が担当しています。この楽曲は、情熱的で妖艶な歌詞が特徴で、軽快なアップテンポのリズムが印象に残ります。

シングルリリースとチャートの成績

「熱視線」は、前作「恋の予感」から3か月後にリリースされ、オリコンシングルチャートでは最高位2位にランクインしました。また、TBS系の音楽番組『ザ・ベストテン』では、1985年2月28日付けでバンド初の1位を獲得しました。このシングルは、合計で14週間もチャートに顔を出し、売り上げは32.4万枚に達しました。

背景と制作過程

本作の制作は、安全地帯の3枚目のアルバム「安全地帯III〜抱きしめたい」のレコーディング時に始まりました。作詞家の松井五郎は、当時、メンバーと伊豆スタジオでの合宿生活を送っていました。レコーディングが終了した後、松井は東京に戻り多忙な生活を送り、そのため玉置浩二との連絡が途絶えることになります。玉置は当時、ヒット曲を持つ著名なアーティストとして成長していました。松井は、テレビで見た玉置が合宿時と異なる迫力を持つ姿に驚き、彼の歌に「生きている充足感を知った瞳」を見たと語っています。

音楽的特徴と歌詞の魅力

楽曲の特徴について、ベスト・アルバム『ALL TIME BEST』では、ハンドクラップによる軽快なリズムと情熱的な歌詞のシンプルさが、曲にインパクトを与えていると説明されています。また、松井は歌詞を書くスタイルを変え、メロディやアレンジに合った言葉を選ぶ方法にシフトしていったことが、本作の成功に繋がったと述べています。

アートワークとリリースの詳細

シングルは7インチレコードとしてリリースされ、ジャケットにはメンバー全員が正面を向いた写真が使用されました。これは安全地帯のシングルとして初の試みであり、メンバーの目が輝いているアーティスト写真も存在します。また、B面の「一秒一夜」は、メンバーの矢萩渉がリードボーカルを担当しています。この楽曲は、同アルバムがリリースされた1985年にオートラマ「高感応レーザー」のCMソングとしても使用されました。

アフターとカバー

1988年には8センチCDとして再リリースされ、現在でも安全地帯の代表的な楽曲の一つとして広く親しまれています。また、森川美穂が『another Face - tribute to Goro Matsui + Koji Tamaki -』というカバーアルバムで本曲を取り上げています。

「熱視線」は、情熱的な歌詞と印象的なメロディーで、多くの人々に愛され続けており、安全地帯の音楽史においても特に重要な作品と位置づけられています。この曲のリリースから数十年後でも、様々な形で新しいリスナーに触れられる機会が増えていることも、名曲の証と言えるでしょう。

もう一度検索