猫娘

猫娘について

猫娘（ねこむすめ）とは、ネコの特性や仕草を持つ人物やキャラクターを指します。この文化的アイコンは、実在の人物から古典文学、さらには現代のサブカルチャーまで、非常に多様な形で存在してきました。以下では、猫娘の歴史やその変遷について詳しく見ていきます。

見世物の猫娘

江戸時代の宝暦・明和年間（1751年から1771年）の頃、日本の見世物小屋では、障害者を見せ物にすることが流行していました。特に1769年（明和6年）、浅草では、猫のような顔立ちの女性が「猫娘」と称され、多くの人々に見世物として展示されました。この時代、障害者が見世物となることは一般的でしたが、猫娘についてはあまり評判が得られなかったようです。

古典の猫娘

1800年（寛政12年）に発行された読本『絵本小夜時雨』の中には、奇談として「阿州の奇女」が記されています。これは、徳島県の富豪の家に住む女性が、男性を舐める独特の癖を持ち、その舌が猫のようなざらざらしたものであったため、「猫娘」と名付けられたという話です。また、1830年の狂歌本『狂歌百鬼夜興』にも「舐め女」という名称が登場しますが、これは妖怪ではなく珍しい人物を指しています。江戸時代の書物『安政雑記』には、実在の猫娘に関する記録も存在しており、当時の社会情勢を反映した内容になっています。

サブカルチャーの猫娘

サブカルチャーにおいては、1936年（昭和11年）に紙芝居作家の浦田重雄が制作した「猫娘」に注目が集まります。そこでは、家族がネコを殺し、その皮を使って三味線を作る職業を抱えている少女が描かれています。彼女はネズミを見ると興奮し、猫のような行動を示します。この作品は異色作でありながら人気を博しましたが、その後模倣作も数多く登場し、教育者からの批判を受けました。さらに、1937年からは警視庁による紙芝居の検閲が始まった背景には、この「猫娘」の流行が影響を与えたとされています。このイメージは、水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』においても引き継がれています。

現代の猫娘

1980年代後半から現代に至るまで、猫娘は多くの漫画やアニメ、小説において重要なキャラクターの一つとなっています。これらの作品では、猫又と呼ばれる妖怪との混血や、化け猫が人間の姿に変わったキャラクターなど、さまざまな設定で描かれています。中には、単なる猫好きや、猫のような口調や仕草を持つ女性キャラクターも存在し、多岐にわたるバリエーションが見られます。加えて、コスプレ文化においても、猫のスタイルを持つ女性たちが「猫娘」と称され、しばしばファンの間で萌えの対象とされています。

日本国外の猫娘類話

日本以外にも、猫娘に関連する話が存在します。アメリカンコミックには、ネコのコスチュームを着た女怪盗「キャットウーマン」が登場します。また、中国の民話には、黒猫が女性の姿に変身し、恩義ある人間の願いを叶える「黒猫娘」の話があります。これらの例からも、猫をテーマにしたキャラクターは国境を越えて愛されていることがわかります。

このように、猫娘は時代を超えてさまざまな形で人々に親しまれており、その魅力は今なお多くのファンに支持されています。

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