王子朝

王子朝の生涯

王子朝（おうじちょう、生年不詳 - 紀元前505年）は、中国春秋時代の周の王子です。姓は姫、名は朝。周の景王の庶長子として生まれました。

王位継承を巡る争い

紀元前527年、景王の太子寿が亡くなると、景王は王子朝を気に入っていたため、彼を太子に立てようとしました。しかし、劉献公の庶子の劉文公が賓孟を憎んでいたため、この動きに反対しました。紀元前520年4月、景王が心臓病で急死。その後、劉献公も死去し、劉文公が後を継ぎました。劉文公と単穆公は悼王を擁立し、これが王子朝の反乱のきっかけとなります。

反乱の勃発

景王の葬儀後、王子朝は悼王の即位によって職を失った者や、霊王、景王の一族を率いて反乱を起こします。劉文公は揚に逃れ、単穆公は平畤に逃れましたが、王子朝の軍の追撃を受けました。王子朝は京に逃れ、劉文公は悼王とともに王城に入りました。一時は王子朝側が優勢でしたが、単穆公が晋に救援を求め、事態は転換します。

晋の介入と戦乱の激化

晋の介入により、戦況は一変します。晋軍は悼王を王城に入れ、王子朝軍は劣勢に立たされます。紀元前519年1月、周の敬王の軍と晋軍は王子朝側の軍を包囲して破りました。しかし、王子朝も粘り強く抵抗を続け、各地で戦闘が繰り広げられました。

王子朝の失脚と亡命

紀元前517年、晋の趙鞅の主導により、諸侯が会合し、周王室の内紛を収拾するための協議が行われました。紀元前516年、晋軍が王子朝側の鞏を攻め落とすと、召簡公が王子朝を追放。王子朝は、召氏の一族や毛氏得、尹氏固、南宮嚚らを連れて、周の典籍を持って楚に亡命しました。

最期

紀元前505年春、王子朝は楚で周王室の人に殺害され、波乱の生涯を終えました。彼の反乱は周王室を大きく揺るがし、その後の春秋時代の歴史に大きな影響を与えました。

王子朝の反乱は、単なる王位継承争いではなく、周王室の権威が失墜していく過程を象徴する出来事でした。地方の有力者が台頭する中、中央の王室は求心力を失い、諸侯が覇権を争う時代へと移り変わっていきます。

彼の反乱は、周王室の衰退を加速させ、後の戦国時代の幕開けを告げる出来事の一つとなりました。王子朝の生涯は、春秋時代の激動を映し出す鏡であり、その後の歴史の流れを考える上で重要な鍵となるでしょう。

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