王進

王進の生涯と武術の師としての物語

王進（おうしん）は、中国の古典小説『水滸伝』やその関連作品に登場する重要な人物です。彼は、武術の名手であり、八十万禁軍の教頭として知られています。その生活は、六十を過ぎた老母と二人三脚の形で支えあいながら続けられています。王進はまた、百八星の一人である史進に武芸を教えたことで、その名声を確立しました。

高俅との因縁

彼の物語は、高俅との対立から始まります。高俅が殿帥府の大尉に就任した際、殿帥府に属する者たちが彼のもとへ挨拶に赴く中、病気を理由に欠席していた王進は、激怒した高俅に無理やり呼びつけられます。王進は、高俅が自身の亡父から棒術を習っていた際に負った恨みを思い出し、恐れを抱くことになります。そのため、王進は延安府に逃げる決断を下し、老母を連れて東京を脱出しました。

新たな出会い

約一ヶ月後、王進とその母は史家村に到着し、大旦那の家に宿泊します。そこで、王進は青竜の刺青を持つ若者が棒を振る姿を目撃します。この若者は史進であり、王進は彼に「本当の使い手には敵わない」と発言してしまいます。これがきっかけで、史進から勝負を挑まれ、王進は彼を一蹴します。この出会いが、彼らの関係を深めることになります。

武芸の教授

史進は王進に師事したいと願い出ます。この後、王進は彼に武芸十八般を教えることになり、「矛・鎚・弓・弩・銃・鞭・簡・剣・鏈・撾・斧・鉞・戈・戟・牌・棒・鑓・杈」といった多様な武器の使い方を教授しました。王進が見守る中、史進はその技術を次第に習得していきました。

王進の去りゆく道

王進は、史進が武芸を十分に身につけたのを見てから、延安府へ向けて出発します。そして、物語の中から姿を消すのです。史進は何度か王進を探すものの、その再会は叶いませんでした。

水滸後伝での戦い

『水滸後伝』では、王進は呼延灼や岳飛と共に金に対する防衛戦に参加しますが、戦線は崩壊してしまいます。その後、短期間の内に梁山泊の残党と合流し、高俅や蔡京らに対抗します。王進はかつての宿命の敵に対峙することで、復讐に燃える心情が見え隠れしています。

彼の物語は、中華文化における武術の精神を象徴しており、忠義や勇気の重要性を教えてくれます。王進の存在は、歴史や物語の中でその後も語り継がれ、多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

もう一度検索