王達

王達の生涯と業績

王達（おう たつ）は清王朝末期から民国初期にかけて活躍した著名な政治家です。本名は王達で、字は志襄、子襄、また蘭生とも呼ばれていました。彼のキャリアは多彩であり、さまざまな公職を歷任しながら、特に山東省において顕著な功績を残しました。

学びの道

王達は北京育才館を卒業後、山東省の洋務局や商務局、巡撫署で仕事を始めます。その後、日本へ渡り、1911年には早稲田大学専門部政治経済科を卒業します。この留学経験が彼の政治観や政策形成に大きな影響を与えたと考えられます。

政治キャリア

帰国後、王達は山東省で進士の資格を取得し、寧陽県や菏沢県といった県の知事に就任します。中華民国が成立した1912年には高密県知事に任命され、その後も重要な役職を歴任しました。特に1915年から1920年まで京兆尹（北京市の長官）として在任し、その間の1917年には北京市で発生した水害の対応に尽力しました。彼の治績は当時の政治情勢の中で高く評価され、地方行政においても手堅い実績を残しました。

さらなる飛躍

1924年には安徽省の官鉱督弁を務め、翌年には省長顧問に就任しています。この時期も引き続き重要な政策を実行し、地域の発展に寄与しました。しかし、1931年の満州事変に際して国民政府から駐日大使への任命を打診されましたが、王達はこのオファーを辞退しました。彼は、国民政府が組織した国民大会に選出されるものの、耳の病のため出席を果たせなかったことが悲劇的です。

戦時下における立場

日中戦争が勃発している時期には蕪湖県に身を寄せており、日本側から再び任官の誘いを受けましたが、全て辞退したと伝えられています。彼の信念がここに表れていると言えます。

晩年と死

1946年に66歳で亡くなった王達は、その生涯を通じて多くの公職を歴任し、さまざまな困難に直面しながらも、地方政治において重要な役割を果たしました。晩年、彼は家財を持たずに亡くなったとされていますが、その生涯は清末民初の政治の一端を担った人物として、後世に語り継がれることでしょう。

参考文献

• - 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。
• - 外務省情報部編『改訂 現代支那人名鑑』東亜同文会調査編纂部、1928年。
• - 劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年。
• - 宣城地区地方志編纂委員会編『宣城地区志』方志出版社、1998年。
• - 『早稲田大学校友会会員名簿 昭和十年用』早稲田大学校友会、1934年。

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