琵琶湖大橋

琵琶湖大橋：滋賀県の発展を支える架け橋

琵琶湖大橋は、滋賀県大津市と守山市を結ぶ、国道477号に属する重要な橋梁です。1964年9月、2車線で開通したこの橋は、その後1994年7月に4車線化され、現在では上下線それぞれ独立した橋として機能しています。

建設の背景と目的

琵琶湖大橋の建設は、東西に広がる琵琶湖によって分断された滋賀県の地域格差是正と、観光促進を目的としていました。特に、琵琶湖の西側地域は県の中心部から離れて発展が遅れており、この架橋によって地域経済活性化への期待が高まりました。

1956年には架橋促進期成同盟会が設立され、県を挙げての取り組みが始まりました。当初は建設省や日本道路公団への要請も行われましたが、最終的には滋賀県が独自に有料道路として建設・管理を行うこととなりました。建設地選定にあたっては、琵琶湖を分断するダム建設の案もありましたが、湖の生態系への影響を懸念して、ダム建設とは別に架橋計画が進められました。

設計と建設

琵琶湖大橋の建設は、軟弱な粘土質の地盤という困難な条件を克服する必要がありました。そのため、大口径鋼管杭を世界で初めて振動式杭打機を用いて打ち込むなど、最新の技術が導入されました。

橋の設計においては、船舶の航行を確保するため、橋桁の中央部は両端よりも高く設計され、水面から最高地点まで26.3mの高さがあります。また、橋脚間の距離も最大140mと広く取られています。橋梁の長さは、上り車線橋が1400m、下り車線橋が1350mにも及びます。

建設期間中は、湖上での作業が中心となり、杭打台船やクレーン船など多数の船舶が動員されました。オリンピック開催に間に合わせるため、約2年間という短い期間で完成させるという目標が設定され、まさに急ピッチでの作業が行われました。

開通後の発展と4車線化

琵琶湖大橋の開通は、東西間の交通を飛躍的に改善し、観光客誘致にも大きく貢献しました。しかし、交通量の増加に伴い、周辺道路の渋滞が深刻な問題となっていきました。そのため、1989年から4車線化工事が開始され、1994年に完成しました。この工事では、複雑な地盤条件への対応や環境保護対策も考慮されました。

4車線化工事では、新橋と旧橋が並行して設置され、それぞれ守山方面と大津方面の交通を担うようになっています。また、景観への配慮も十分に行われ、植樹帯や照明などが整備されました。

通行料金と今後の展望

琵琶湖大橋は有料道路として運営されており、通行料金は償還主義と便益主義の原則に基づいて設定されています。料金は車種によって異なり、ETCの導入により割引も適用されています。

当初の償還計画では、料金徴収期限は2021年9月27日とされていましたが、周辺道路整備などの事業費増加に伴い、2034年10月22日まで延長されることが決定しました。

琵琶湖大橋有料道路

琵琶湖大橋有料道路は、琵琶湖大橋本体に加え、栗東市林から大津市真野普門町までを結ぶ取付道路を含んでいます。この有料道路は、滋賀県道路公社によって管理されており、多くの観光施設や住宅地と連携した重要な交通インフラとなっています。

まとめ

琵琶湖大橋は、単なる橋梁としてだけでなく、滋賀県の地域発展に大きく貢献してきた重要なインフラです。その建設には困難な課題も多くありましたが、高度な技術と関係者の努力によって完成し、現在も地域の活性化に貢献しています。将来も、地域社会の要としてその役割を果たしていくことが期待されています。

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