産業ファンド投資法人

産業ファンド投資法人：産業不動産に特化したJ-REIT

産業ファンド投資法人は、東京都千代田区に本部を置く、東証上場企業であり、J-REIT（日本版不動産投資信託）の一つです。日本で初めて産業用不動産に特化したREITとして注目を集めており、物流施設、工場、研究開発施設、インフラ施設など幅広い産業不動産への投資を行っています。

設立とスポンサー変更

2007年3月26日に設立され、同年10月18日に東京証券取引所に上場しました。当初のスポンサーは三菱商事とUBSが共同で設立した三菱商事・ユービーエス・リアルティでしたが、2022年4月28日には、グローバルな投資会社であるコールバーグ・クラビス・ロバーツ（KKR）傘下のKJRマネジメントにスポンサーが変更されました。このスポンサー変更は、同社の事業戦略における大きな転換点となりました。

KKR傘下での積極的な投資

スポンサー変更後、産業ファンド投資法人はKKR関連会社からの資産取得を積極的に推進しています。具体的には、2023年にはKKR傘下のセントラル・タンクターミナルが所有するタンクターミナルの底地を取得し、2024年には、同じくKKR傘下のロジスティード（旧日立物流）が所有する物流施設の取得を発表しました。これらの動きは、KKRによる戦略的なポートフォリオ拡大の一環と捉えられます。

多様なポートフォリオ

2023年7月31日現在、産業ファンド投資法人は78件の物件を保有しており、取得価格は3893億9300万円にのぼります。ポートフォリオは、物流施設、工場、研究開発施設、さらには底地なども含む多様な産業施設から構成されています。これらの物件は、日本各地に分散して保有されており、地理的なリスクの分散にも配慮されています。

主要保有物件

産業ファンド投資法人は、多くの重要な産業施設を保有しています。代表的な物件としては、以下のものがあげられます。

羽田空港メインテナンスセンター（テナント：日本航空）：航空機の整備拠点として重要な役割を担う施設です。
湘南ヘルスイノベーションパーク（テナント：武田薬品工業）：医薬品開発や研究に特化した施設であり、最先端の技術開発を支えています。
神戸地域冷暖房センター（テナント：大阪ガス）：神戸市内の地域冷暖房供給を担う重要なインフラ施設です。
市原マニュファクチュアリングセンター（底地）（テナント：三井E&Sホールディングス）：底地として保有している大規模な製造拠点です。
* 東雲ロジスティクスセンター（テナント：佐川急便）：東京近郊における物流の中枢を担う重要な物流施設です。

これらの物件は、いずれも安定した収益を生み出す優良物件であり、産業ファンド投資法人の堅実な運用を支えています。

まとめ

産業ファンド投資法人は、産業用不動産に特化したREITとして、その専門性と安定した運用実績で高い評価を得ています。KKRをスポンサーに迎え、更なる成長が期待されます。今後の投資戦略にも注目が集まります。

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