田中英祐

田中英祐の経歴と活躍

田中英祐（たなかえいすけ）は1992年4月2日生まれ、兵庫県高砂市出身の元プロ野球選手で、ポジションは投手です。田中は右投右打の選手で、京都大学からプロ野球（NPB）の球団に入団した初の選手としても知られています。彼は2017年に現役を引退した後、三井物産に就職しています。以下では、田中の経歴や選手としての特徴、引退後の活動について詳しく見ていきます。

プロ入り前の経歴

田中は小学校4年生の時に「塩市少年野球団」で野球を始め、当初は捕手として活動していましたが、白陵中学校入学後に投手に転向しました。白陵高校では1年生の秋からエースとしての地位を確立しましたが、全国大会への出場はならず、春夏ともに甲子園には届きませんでした。高校卒業後は京都大学工学部に進学し、硬式野球部に入部。大学ではリーグ戦での活躍が目立ち、特に2年生の春季リーグでは関西学院大学を完封し、チームの連敗記録を止めました。

3年目の秋には立命館大学との延長戦で237球を投げて完封しましたが、結果は引き分けに終わりました。4年生では同志社大学に対し再度完封勝利を収め、京都大学出身の選手としての評価を高めました。大学卒業後、プロ入りを決意して2014年のドラフトで千葉ロッテマリーンズから指名を受けました。

プロ野球選手としてのキャリア

2015年、田中はロッテに入団し、背番号31を付けてプロ生活がスタートしました。開幕を二軍で迎え、イースタン・リーグでは初登板から無失点を記録しますが、一軍でのデビュー戦では課題が残り、結果的に5失点を喫しました。その後、体調不良やフォームの崩れから、長期にわたって実戦から離れることになり、登板機会は限られました。

2016年には投球フォームを見直し、基礎体力の強化に取り組みましたが、翌年も一軍では活躍できず、10月には戦力外通告を受けました。引退の決断をした後、田中はプロでの経験を活かし、社会人としての新たな道を歩むこととなりました。

引退後の活動

引退後、田中は三井物産に正式に入社しました。彼の入社は新卒と同等の扱いで行われ、プロ経験者としては初の試みとなります。田中は大学では工業基礎化学を専攻し、卒業論文は水和構造についてのものでした。この学問的背景を活かして、社会人としてのキャリアを積むことが期待されています。

選手としての特徴

田中は最速149キロのストレートと多彩な変化球を持つ投手でした。変化球にはカーブ、スライダー、カットボールなどがあり、彼の投球スタイルは注目されていました。また、50メートル走のタイムは6秒7、遠投は110メートルと、身体能力も高かったです。田中は技術の向上を目指し、自身で心・技・体の自己採点を行ったこともあり、自身を見つめ直す姿勢が印象的です。

人物像と影響

田中は高校時代に器械体操を経験しており、スポーツ全般に対する適応能力が高い選手でした。父の助言で野球に専念し、その後のキャリアで多くの経験を積みました。大学在学中には実績も称えられ、「京都大学総長賞」を受賞するほどの成果を上げました。プロ入り以前から多くの期待が寄せられていた田中ですが、選手引退後もその能力を活かし、社会人としての道を着実に歩んでいます。

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