田神駅

田神駅（たがみえき）

概要

田神駅は、岐阜県岐阜市入舟町一丁目に所在する、名古屋鉄道が運行する各務原線上の鉄道駅です。駅ナンバリングにおける駅番号は「KG16」が付与されています。現在は駅集中管理システムが導入されており、駅員が配置されない無人駅となっています。

歴史

当駅は、各務原線の前身にあたる各務原鉄道の駅として、1926年（大正15年）1月21日に開業しました。その後、路線の運営会社は何度か変遷を遂げます。1935年（昭和10年）3月28日には会社合併により名岐鉄道の駅となり、同年8月1日には社名変更に伴い名古屋鉄道の駅となりました。

田神駅の歴史において重要な転換点となったのは、名鉄田神線の開業です。1970年（昭和45年）6月25日に田神線が開業したことで、当駅は各務原線と田神線の乗換駅として機能するようになりました。翌1971年（昭和46年）2月21日には、6階建ての駅ビルが完成し、駅施設の一部が更新されました。この駅ビルは、2階以上がアパートとして利用される複合施設でした。

運転系統の変化もありました。1990年（平成2年）10月29日のダイヤ改正では、各務原線で運行されていた準急列車が廃止され、当駅は普通列車のみが停車する駅となりました。しかし、2011年（平成23年）3月26日のダイヤ改正以前には、平日朝に名鉄岐阜発中部国際空港行きの準急列車が、犬山駅を経由する際に当駅に特別停車していた時期があります。また、さらに遡ると、新岐阜駅（現：名鉄岐阜駅）と三柿野駅を結んでいた準急列車が運転されていた頃は、田神駅は準急列車の標準停車駅でした。

一方、乗換駅としての役割を担っていた田神線は、2005年（平成17年）4月1日をもって廃止されました。これにより、当駅は再び各務原線の単独駅となりました。

無人駅化も駅の運営体制に大きな変化をもたらしました。2006年（平成18年）12月12日には駅員配置が廃止され、無人駅となりました。この無人化とほぼ同時期にあたる2006年（平成18年）12月16日には、磁気カード式乗車券システムである「トランパス」が導入され、自動改札機などが設置されました。その後、ICカード乗車券の普及に伴い、2011年（平成23年）2月11日からは「manaca」の利用が開始され、2012年（平成24年）2月29日にはトランパスの供用が終了しました。

その他、駅の西側には、かつて日本専売公社岐阜工場（現：日本たばこ産業）への専用線が存在し、各務原線と平面で交差する地点があったことも特筆されます。この交差地点は通称「鶴田町信号所」と呼ばれていました。

駅構造

田神駅は地上に位置する駅で、4両編成に対応した相対式のホームが2面2線配されています。現在、駅集中管理システムが導入されており、駅員は常駐していません。管理は名鉄岐阜駅が行っています。

改札口は1番線ホーム側の新鵜沼方面寄りに設けられています。改札口付近には、通常の乗車券購入やICカードへのチャージなどが可能な自動券売機および自動精算機がそれぞれ1台設置されています。自動券売機では、通勤および通学のmanaca定期券（新規・継続、継続のみ）の購入も取り扱いがありますが、名鉄ミューズカードでの決済は利用可能な時間帯に制限があります。両ホーム間の移動は、改札口付近に設けられた構内踏切を利用する形態となっています。

過去には、現行ホームと構内踏切を挟んだ東側に、かつて美濃町線で運行されていた路面電車タイプの低床車両が直通していた列車向けの低床ホームが存在しました。しかし、いわゆる岐阜600V線区（岐阜市内線、田神線、美濃町線の一部）の廃止に伴い、この低床ホームも撤去されました。

無人化以前は、特に田神線の信号切り替えを行う必要があったため、駅員が常駐していましたが、2006年（平成18年）12月のトランパス導入と同時に無人化が実施されました。この際に、前述の自動改札機や、列車接近を知らせる電光表示板、自動音声案内といった設備が新たに設置され、駅の自動化が進められました。

利用状況

田神駅の利用状況は、時期によって変動が見られます。

『名古屋鉄道百年史』によると、1992年度の1日平均乗降人員は2,414人でした。この数値は、当時名鉄全駅（岐阜市内線均一運賃区間内各駅を除く342駅）中156位、各務原線の駅（18駅）の中では9位にあたります。

その後、『名鉄120年：近20年のあゆみ』に掲載された2013年度のデータでは、1日平均乗降人員は1,607人となっており、1992年度と比較して減少傾向が見られます。この時の順位は、名鉄全駅（275駅）中190位、各務原線（18駅）中9位でした。名鉄社史等から確認できる乗降人員の推移を見ても、近年は概ね横ばい、もしくは微減傾向にあることが伺えます。

駅周辺

駅の周囲は主に閑静な住宅街が広がっています。

主な周辺施設としては、以下のようなものが挙げられます。

日本キャンパック岐阜工場（旧日本たばこ産業岐阜工場）
岐阜競輪場
梅林公園
岐阜合同庁舎
ハローワーク岐阜
岐阜市民総合体育館
岐阜市立梅林小学校
岐阜市立白山小学校
岐阜市立華陽小学校
岐阜市立梅林中学校
岐阜市岐陽体育館（旧・岐阜市立岐陽中学校体育館）
コーナン岐阜店

隣の駅

名古屋鉄道 各務原線

■普通
名鉄岐阜駅（NH60） - 田神駅（KG16） - 細畑駅（KG15）

（参考：廃止路線）
かつて運行されていた名鉄田神線における隣の駅は以下の通りでした。

市ノ坪駅 - 田神駅 - 名鉄岐阜駅（各務原線）

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