皿倉登山鉄道

皿倉登山鉄道株式会社は、福岡県北九州市八幡東区に本社を構え、ケーブルカーなどの索道事業を運営する企業です。1957年の設立当初は「帆柱ケーブル株式会社」として、八幡市の市制40周年記念事業の一環として発足しました。その目的は、皿倉山の豊かな自然と美しい夜景を気軽に楽しめるように、山頂への交通手段を提供することでした。

設立当初は、地元の有力企業である八幡製鉄や西日本鉄道などが共同出資する形で、八幡市も運営に関わっていました。開業当初のケーブルカーは年間約50万人の利用客で賑わいましたが、時代とともに利用者は減少傾向にありました。1982年からは北九州市の100%出資となり、より地域に密着した運営へと移行しました。

2001年には、北九州博覧祭の開催に合わせてケーブルカーの新車両が導入されました。これにより、施設の近代化と利用者の快適性向上が図られました。長らく「帆柱ケーブル」として親しまれてきましたが、観光客からは皿倉山への交通手段であることが分かりにくいという声や、電線会社やケーブルテレビ局と間違われることもあったため、2015年4月1日に社名を「皿倉登山鉄道株式会社」に変更しました。同時に、ケーブルカーの路線名も「皿倉山ケーブルカー」へと改称し、より分かりやすく、地域に根ざした名称へと変更しました。

現在、ケーブルカーの利用者数は年間約20万人と減少傾向にありますが、依然として皿倉山への主要な交通手段として重要な役割を担っています。2014年度の決算では、ケーブルカー事業が年間売上の約67.4%を占めており、主力事業となっています。

年表

1957年3月1日：帆柱ケーブル株式会社として設立
1957年11月12日：ケーブルカー開業
1964年4月10日：スカイラインリフト開業
1982年：北九州市の100%出資となる
2001年6月30日：ケーブルカー新車両導入
2006年8月31日：スカイラインリフト廃止
2007年12月28日：皿倉山スロープカー開業
2012年4月19日：帆柱ケーブルの第二種鉄道事業、北九州市の第三種鉄道事業が許可
2012年9月30日：帆柱ケーブルの第一種鉄道事業廃止。北九州市に施設を譲渡し、それを借り受けて運行する第二種鉄道事業者となる。
2015年4月1日：帆柱ケーブル株式会社から皿倉登山鉄道株式会社へ社名変更

運営路線

皿倉山ケーブルカー
1957年に開業し、皿倉山へのアクセスを提供するケーブルカーです。2015年に「帆柱ケーブル」から「皿倉山ケーブルカー」に改称しました。開業当初は、テレビ電波送信が自動化されていなかったため、NHKやRKB毎日放送、テレビ西日本の送信所勤務者の通勤手段としても重要な役割を担っていました。2001年には、北九州博覧祭の開催に合わせて設備が更新され、新車両が導入されました。
博覧祭期間中は、会場から山麓駅までシャトルバスが運行され、博覧祭入場券の半券提示で無料で利用できました。
皿倉山スロープカー
2007年に開業したスロープカーで、帆柱スカイラインリフトの後継施設です。法律上は斜行エレベーターとして扱われ、鉄道路線ではありません。宝くじの普及宣伝事業として、日本宝くじ協会の助成を受けて整備されました。

過去に運営していた乗り物

* 帆柱スカイラインリフト
ケーブルカーの山上駅から山頂までを結ぶチェアリフトで、皿倉山山頂の魅力向上を目的とした再整備計画に伴い、2006年8月31日に廃止されました。

皿倉登山鉄道は、これらの施設を通じて、地域住民や観光客に皿倉山の豊かな自然と素晴らしい景観へのアクセスを提供しています。長年の歴史の中で、社名変更や設備の更新を経て、常に利用者のニーズに応えるよう努めています。

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