目黒寄生虫館

目黒寄生虫館

目黒寄生虫館（Meguro Parasitological Museum、略称MPM）は、日本の東京都目黒区下目黒に位置する、寄生虫学に特化した私立の博物館です。この施設は、公益財団法人目黒寄生虫館によって運営されており、寄生虫に関する研究や標本展示、啓蒙活動が行われています。日本国内において、寄生虫専門の博物館は非常に珍しい存在であり、そのため、さまざまな国から訪れる観光客にも人気があります。

概要と施設の特徴

館内は、地上6階・地下1階のビルで構成されており、展示スペースは1階と2階に限られています。上層階は研究室や収蔵庫、事務室が設置され、研究活動が行われています。また、寄生虫や昆虫の標本を中心に多くの展示物があり、物珍しさや興味から訪れるカップルやサブカルチャーの愛好者にとってもデートスポットとしても知られています。

展示文は8か国語で提供されており、特に英語、中国語、韓国語などの説明が充実しているため、国内外の多様な来訪者が理解しやすい内容となっています。

歴史

この館の創設者である亀谷了は、1947年に中国から日本に戻った後、1948年に目黒区で診療所を開設し、寄生虫学の研究に情熱を注ぎ続けました。1953年に私有の研究機関として目黒寄生虫館を設立し、当初は木造平屋の仮施設でした。1956年には鉄筋コンクリートの新しいビルが竣工し、正式な博物館としての運営が始まりました。

館長はこれまで数名が歴任しており、亀谷了の後は亀谷俊也、内田明彦、町田昌昭、そして最近では倉持利明が就任しています。日本における寄生虫学の発展に寄与した豊富な文献や標本を有し、定期的に特別展示や講演会も行われています。特に注目すべきは、全長8.8メートルに及ぶサナダムシの標本で、これは当館の目玉展示の一つとされています。

収蔵品と提供される資料

館内にはおおよそ60,000点の寄生虫標本に加え、約16,000冊の図書が所蔵されています。これには、研究者が執筆した論文や寄生虫に関する書籍のほか、さまざまな寄生虫病や感染症に関連する貴重な資料が含まれています。また、「小宮文庫」と呼ばれる医学文献も寄託されており、その内容は多くの研究者に利用されています。

アクセスと入館手続き

目黒寄生虫館へのアクセスは、最寄りの目黒駅から徒歩またはバスで行くことができます。館は入館料が無料で、寄付によって運営されています。訪れる人は、心の中でその活動に感謝しつつ寄付をすることができ、これが多くの研究活動や展示活動の支えとなっています。

終わりに

目黒寄生虫館は、寄生虫というテーマで様々な知識や興味を持つ人々が集う場所であり、そのユニークな特性から多くの人に愛されています。専門的ながらも楽しい展示を通じて、寄生虫の世界の奥深さを学ぶ貴重な機会を提供しています。

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