石川県立歴史博物館

石川県立歴史博物館：石川の歴史と文化を体感できる博物館

石川県立歴史博物館は、石川県金沢市出羽町に位置する、石川県の歴史と文化を深く掘り下げて紹介する博物館です。明治時代の建造物を生かした重厚な建物と、充実した展示内容で、多くの人々を魅了しています。加賀本多博物館とともに「いしかわ赤レンガミュージアム」を構成しており、周辺には数々の文化施設が点在する、文化的な環境に恵まれた立地も魅力です。

歴史と変遷

1968年、金沢市広坂にて旧制第四高等学校の旧校舎を用いて、石川県立郷土資料館として開館しました。その後、収蔵品の増加に伴い、金沢美術工芸大学の建物を譲り受け、1986年に現在の場所に移転・開館。2013年には大規模な改修工事を経て、北陸新幹線開業後の2015年に「いしかわ赤レンガミュージアム」の一員としてリニューアルオープンしました。本多の森公園の緑豊かな環境に抱かれ、国立工芸館などの文化施設にも隣接しています。年間を通して、常設展に加え、複数の特別展や企画展が開催され、来館者を楽しませています。

建物の魅力：歴史的建造物の活用

博物館の建物は、1909年から1914年にかけて建設された旧金澤陸軍兵器支廠の兵器庫3棟を再利用したものです。歴史的価値の高い建造物は、1990年に国の重要文化財に指定され、1998年には旧建設省の「公共建築100選」にも選ばれています。これらの歴史的建造物を活かすことで、博物館そのものが歴史を語る空間となっています。2024年1月1日に発生した能登半島地震では、バックヤードに被害を受けましたが、現在は修復作業が進められているものと思われます。

展示内容：多角的な視点からの石川の歴史

博物館は3棟の建物から構成され、それぞれの建物に複数の展示室が設けられています。展示内容は旧石器時代から現代までの石川県の歴史を網羅しており、考古資料、歴史資料、民俗資料など、多岐にわたる所蔵品を展示しています。特に、第4展示室（第2棟）では歴史体験コーナーが設けられ、実物資料に触れることで、より深く歴史を体感できます。また、近世・近代の科学技術や江戸時代の暮らし、伝統工芸品など、様々な角度から石川の歴史と文化を理解できる展示が魅力です。

貴重な文化財

博物館は多くの貴重な文化財を所蔵しています。特に、旧金澤陸軍兵器支廠（3棟）は国の重要文化財に指定されており、博物館の建物自体が歴史的遺産となっています。また、春日懐紙（紙背春日本万葉集）17枚や白峰の出作り生活の用具（内483点）など、県内各地の文化遺産も数多く収蔵されています。

国際交流

石川県立歴史博物館は、大韓民国全北特別自治道全州市の国立全州博物館と1991年から姉妹館提携を結んでいます。以来、展示資料の貸し借りや職員の相互派遣など、活発な交流を行っており、これまでにも複数の合同企画展を開催。近年では2015年に「朝鮮王朝―宴と儀礼の世界」展を開催するなど、国際的な視点も取り入れた展示活動を展開しています。

周辺環境とアクセス

博物館は本多の森公園内に位置し、国立工芸館、石川県立美術館、加賀本多博物館など、多くの文化施設に隣接しています。金沢駅からバスで約20分とアクセスも良好です。周辺には兼六園や金沢21世紀美術館などの観光地も点在しており、観光と博物館見学を組み合わせた旅程も可能です。

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