砲弾

砲弾の全貌



砲弾(ほうだん)は、大砲に用いられる弾丸の総称で、用途に応じて様々な種類が存在します。日本の陸上自衛隊では、口径20mm以上の弾丸を砲弾と定義し、それ以下を小火器弾薬と位置づけています。英語の「シェル」は本来、炸薬が詰まったものを指しますが、現在では炸薬のない徹甲弾なども広く「シェル」と呼ばれています。

砲弾の分類



砲弾は主に二つの大きなカテゴリーに分けられます。ひとつは化学エネルギー弾、もうひとつは運動エネルギー弾です。化学エネルギー弾は弾頭が命中した際に起爆して破壊を引き起こします。一方、運動エネルギー弾は発射時の運動エネルギーによって破壊を行います。特に、後者は発射速度や飛距離によって威力が大きく変化します。

化学エネルギー弾



運動エネルギー弾



このほかにも、焼夷弾曳光弾、信号弾、榴散弾、キャニスター弾など多様な種類があります。特異な例として、宣伝用のビラを撒くための「宣伝弾」も存在します。

砲弾の歴史



砲弾の歴史は古く、初期の砲弾は主に運動エネルギー弾として使用されていました。黒色火薬の不安定さと信管の未発達がその理由です。初期の結構は素朴な実体弾や散弾、焼玉が使用され、破裂する砲弾の記録は中国の朝時代の文献に初めて見受けられます。ここから、時間を経て炸裂型の榴弾が多くの国で利用されるようになり、これが近代砲術に拍車をかける要因となりました。

近代砲弾の進化



特に1868年に合意されたサンクトペテルブルク宣言では、小口径弾に対して炸薬の使用が制限され、各国間の戦争における倫理観の変化を反映しています。また、1891年にフランスのペクサンが炸裂榴弾を発し、海軍戦略が大きく進化したことで、世界各国の軍に大きな影響を与えました。

近年の動向



2022年、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発し、砲弾の需要がこれまで以上に高まりました。前線での消耗戦の影響で、物資の不足が深刻化し、各国は砲弾の生産量やストックレベルを見直す必要に迫られました。また、ドローンの使用が砲弾の効率的な運用に変革をもたらし、未来に向けて新たな技術の必要性が問い直されています。

この如く、砲弾は時代とともに進化を遂げ、様々な戦場で使用され続けています。兵器としての役割は時代や技術の変遷に伴い変わりつつありますが、今後の展開にも注目が集まります。

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