福井県立美術館

福井県立美術館：郷土と国際性を織りなす美術の殿堂

福井県福井市文京に位置する福井県立美術館は、1977年の開館以来、地域に根ざした活動を展開しながら、国際的な視点を取り入れた多彩な美術体験を提供し続けている県立美術館です。洗練された空間と充実したコレクション、活発な企画展で、多くの来場者を引きつけています。

建築とコレクション：洗練された空間と貴重な美術品

美術館の建物は、建築家佐藤武夫氏の設計によるもので、第21回BCS賞を受賞するなど、その建築的価値も高く評価されています。館内は、開放感と静謐さを兼ね備え、作品鑑賞に最適な環境が整えられています。

所蔵作品は、日本画、西洋美術、現代アートなど多岐に渡り、その質と量において高い水準を誇ります。特に、岡倉天心ゆかりの作家や再興院展関係の作家の作品が充実しており、菱田春草の「落葉」、横山大観の「春秋図」、狩野芳崖の「伏龍羅漢図」、木村武山の「日盛り」、下村観山の「寿星」といった日本画の巨匠たちの作品を鑑賞できます。

また、福井ゆかりの画家、岩佐又兵衛の作品も数多く所蔵しており、郷土の美術史を深く探求できる貴重な資料となっています。さらに、ニューヨークのティファニー社にも勤務経験を持つ岡島辰五郎氏のコレクションである、刀装具や根付などの精緻な工芸品も所蔵されており、日本の伝統工芸の粋を体感できます。寄託品として、江戸以前としては日本最大級とされる六曲一双の「竹虎図屏風」（狩野安信）も公開されています。

企画展と教育普及活動：多様な美術体験の提供

福井県立美術館は、年間3～4回の企画展を開催し、西洋美術から現代アートまで、幅広いジャンルの作品を紹介することで、来場者に多様な美術体験を提供しています。2012年には「ストラスブール美術館展」を開催するなど、国際的な展覧会にも積極的に取り組んでいます。

教育普及活動にも力を入れており、子供向けのキッズミュージアムや学校への出前授業など、地域の子どもたちへの美術教育にも貢献しています。世代を超えて美術を愛で、理解を深めるための様々なプログラムが用意されています。

アクセスと周辺情報

美術館へのアクセスは、えちぜん鉄道三国芦原線・福井鉄道福武線田原町駅から徒歩約8分、または京福バスやコミュニティバスすまいるを利用できます。周辺には福井市立図書館、福井県立藤島高等学校、福井県護国神社、幾久公園などの施設があり、美術館を拠点とした一日観光も楽しめます。

まとめ：福井の文化を彩る美術館

福井県立美術館は、貴重な美術コレクションと活発な企画展、そして地域社会への貢献を通して、福井の文化を牽引する存在となっています。美術愛好家はもちろん、初めて美術館を訪れる方にとっても、心に残る体験を提供してくれる場所と言えるでしょう。日本の伝統美術から現代アートまで、幅広いジャンルの作品に触れられる絶好の機会です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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