福田美術館

福田美術館の概要

福田美術館（ふくだびじゅつかん）は、京都府京都市右京区の嵐山に位置する私設美術館で、2019年10月1日に開館しました。この美術館は、設立者である福田吉孝が約20年にわたり収集した日本絵画を中心とした約2,000点の作品を展示しており、そのコレクションの中心には江戸時代の琳派や円山・四条派、さらには近代の京都画壇の名作が含まれています。

福田美術館のコンセプトは「100年続く美術館」であり、訪れる人々が美術に詳しくない場合でも感動するような作品を厳選して所蔵しています。主な所蔵作家には、俵屋宗達、円山応挙、与謝蕪村、伊藤若冲、葛飾北斎、横山大観、竹内栖鳳、上村松園、速水御舟、竹久夢二などの名だたるアーティストが名を連ねています。

建築と設計

美術館の設計は東京工業大学の教授である安田幸一が担当し、京町屋の要素を取り入れた和モダンなデザインが特徴です。展示室は蔵のイメージで設計されており、来館者に独特の雰囲気を提供します。また、館内のカフェ「パンとエスプレッソと福田美術館」からは、渡月橋と嵐山の美しい景観を楽しむことができます。大堰川に面したこの立地は、自然と文化の融合を感じる特別な場所です。

収蔵作品の見どころ

福田美術館には多種多様な作品が収蔵されています。その中でも、伊藤若冲の代表作「蕪に双鶏図」や「群鶏図押絵貼屏風」、与謝蕪村の「猛虎飛瀑図」や「茶筵酒宴図屏風」、葛飾北斎の「大天狗図」や「端午の節句図」、上村松園の「長夜」など、いずれも日本美術史において重要な位置を占める作品ばかりです。さらに、渡辺崋山の「于公高門図」や深江芦舟の「草花図屏風」は、重要文化財としても指定されている貴重なコレクションです。

利用情報

福田美術館の開館時間は10:00から17:00まで（最終入館は16:30）で、展示替え期間や年末年始は休館となります。入館料は、一般・大学生が1,500円、高校生が900円、小中学生が500円となっており、多くの人々に美術を楽しんでもらえるよう、手頃な価格が設定されています。

近隣にある嵯峨嵐山文華館とは共同で企画展を開催したり、二館共通券の販売を行っていたりと、地域の文化交流も推進しています。福田美術館は、訪れる人々に日本美術の深い魅力を伝える特別な場所です。

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