福音館書店

株式会社福音館書店の概要

株式会社福音館書店（ふくいんかんしょてん）は、東京都文京区に本社を構え、児童書を中心に様々な出版物を展開している出版社です。略称は「福音館」として広く知られています。福音館書店は、これまでの長い歴史と豊富な出版実績を持ち、国内外の子どもたちに愛されている絵本や児童書を手掛けています。

沿革

福音館書店の起源は、石川県金沢市にあるキリスト教系の書店にまで遡ります。設立されたのはカナダのメソジスト教会に属する宣教師によるもので、信仰の普及を目指していました。しかし、第二次世界大戦の影響で宣教師が帰国することとなり、書店は経営の危機を迎えました。 その時、名古屋市に拠点を持つ星野書店の佐藤喜一が経営を引き継ぎました。

1951年、佐藤の娘である身紀子の恋人、松居直が編集に加わり、彼の手によって「福音館小辞典文庫」シリーズが誕生しました。この成功をきっかけに、1952年には出版部門が独立し、「有限会社 福音館書店」としての道を歩み始めました。同年、金沢から東京に移転し、その後もさまざまな移転を経て1984年には本駒込に本社を置くことになります。

福音館書店は創刊以来、数々の名作を生み出してきました。1953年には婦人月刊誌『母の友』が創刊され、続けて児童書の制作にも進出。 1956年には画期的な絵本『こどものとも』を発刊し、その第1号から11号までが児童出版文化賞を獲得したことにより、確固たる地位を築くこととなります。 なお、1960年には佐藤喜一が特別出版賞を受賞しています。

主な発行物

福音館書店は、数々の月刊誌や絵本シリーズを発行しています。「こどものとも」シリーズをはじめ、科学絵本「かがくのとも」や「たくさんのふしぎ」など、多岐にわたる文学を展開。特に、子どもたちが楽しめる物語絵本や科学図鑑のような教育的要素を兼ね備えた作品が多いことが特徴です。

また、『ぐりとぐら』や『魔女の宅急便』など、親しまれているキャラクターや物語が多く、これらは今なお多くの読者に愛されています。 さらに、近年では創立70周年を迎え、記念出版も行い、さらなる展開を見せています。

福音館書店の影響

福音館書店は、児童文化の発展に大きく貢献してきました。その影響は多方面にわたり、教育現場や家庭において多くの子どもたちに良質な文学を届けてきました。特に、子どもたちの視点に立った作品の数々が、彼らの想像力を刺激し、成長を助けていることは間違いありません。

今後も福音館書店は、情熱を持って子どもたちに向けた出版を続け、多くの世代にわたって愛される作品を作り続けることでしょう。

もう一度検索