稲枝駅

稲枝駅：滋賀県彦根市の交通拠点

1920年（大正9年）7月1日、東海道本線に開業した稲枝駅は、滋賀県彦根市稲枝町に位置する西日本旅客鉄道（JR西日本）の駅です。駅番号はJR-A16。愛称である「琵琶湖線」の区間にも含まれています。

歴史と変遷

開業当初は旅客・貨物の両方を扱っていましたが、1963年（昭和38年）に貨物輸送は廃止されました。国鉄分割民営化後の1987年（昭和62年）からはJR西日本の駅となり、1988年（昭和63年）には「琵琶湖線」の愛称が使用開始されました。その後、自動改札機の導入（1998年）、ICOCAの利用開始（2003年）、JR京都・神戸線運行管理システムの導入（2006年）など、時代の変化に合わせて設備の改良やシステム更新が行われてきました。2007年には駅自動放送の更新と電光掲示板の導入、そして同年には駅改築の促進を目的とした「稲枝駅改築整備促進期成同盟会」が設立されました。彦根市とJR西日本との間で改築に関する協定が締結されたのは2013年（平成25年）のことです。

駅舎の改築工事は2014年（平成26年）に着工、開業当時から駅前広場を彩っていた樹齢約90年の桜の伐採もこの工事の一環でした。同年11月には仮駅舎に移転し、2016年（平成28年）12月11日、橋上駅舎と東西自由通路が完成、西口も開設されました。同時に、みどりの窓口は営業を終了し、みどりの券売機プラスが導入されました。同年、入線警告音の見直しに伴い接近メロディも導入されています。2018年（平成30年）には駅ナンバリングも導入されています。

駅の構造と設備

稲枝駅は、相対式ホーム2面2線の地上駅です。2016年の橋上駅舎完成により、東西自由通路、エレベーター、エスカレーターが設置され、バリアフリー化が大きく進みました。駅業務はJR西日本交通サービスに委託されており、彦根駅が管理駅となっています。ICOCAを含むICカードが利用可能です。みどりの券売機プラスも設置されているため、切符購入にも便利です。

運行状況と利用状況

日中の運行本数は1時間あたり2本ですが、朝と夕方は増便されます。2022年度の1日平均乗車人員は2,252人となっています。

駅周辺とアクセス

駅東側にはロータリーと、線路に沿って小規模な商店街が形成されていますが、近年は営業店舗の減少が懸念されています。自転車の放置問題への対策として、2022年11月からは自転車等放置禁止区域が設定されています。一方で、自転車置き場の不足という課題も存在しており、地域住民の利便性向上に向けた取り組みが求められています。

駅東口のロータリーには「稲枝駅」停留所があり、彦根観光バスと愛のりタクシー（デマンドタクシー）が乗り入れています。バス路線は稲枝循環線（田原・本庄方面、聖泉大学シャトル）、タクシー路線は石寺線、新海浜線、愛荘西部線、金剛輪寺線などが運行されています。

隣の駅

* 河瀬駅 - 稲枝駅 - 能登川駅

稲枝駅は、地域住民の生活を支える重要な交通拠点として、今後もその役割を担い続けるでしょう。駅周辺の環境整備や利便性向上に向けた取り組みが継続されることが期待されます。

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