稲穂峠

稲穂峠は、北海道岩内郡共和町と余市郡仁木町の境界に位置する峠であり、道央と道南を結ぶ交通の要衝となっています。稲穂嶺（稲穂山）の西側には国道5号が、東側には函館本線の稲穂トンネルがそれぞれ貫通しています。

歴史

国道5号の稲穂トンネル（延長約1.4km）は1962年（昭和37年）に開通しました。それ以前は、標高600mの峠道を越える必要がありました。このトンネルの開通により、峠越えの困難さが大幅に軽減され、交通の利便性が向上しました。

課題

しかし、稲穂峠にはいくつかの課題も存在します。特に、狭小トンネルや線形不良箇所が多く、冬場にはスタックが多発することで知られています。平成23年から24年シーズンには、北海道内で最も多い42回のスタックが発生しました。このため、冬期間の通行には十分な注意が必要です。

同名の峠との区別

北海道には、北海道道5号江差木古内線にも同名の峠が存在します。こちらは、上磯郡木古内町と檜山郡上ノ国町の境界に位置する峠であり、稲穂峠とは異なる場所にあります。

稲穂トンネルの現状と将来

2023年現在、稲穂トンネルは道内の現役の道路トンネルとしては最も古いものとなっています。しかし、現在のところ改修や新トンネル掘削の予定はありません。ただし、国道5号に並行して自動車専用道路の倶知安余市道路として新稲穂トンネルが建設中です。この新トンネルの完成により、稲穂峠周辺の交通状況は大きく改善されることが期待されます。

周辺情報

稲穂峠の周辺には、稲穂嶺（稲穂山、標高564m）やまつらの滝の玄武岩（北海道地質百選）などの観光スポットがあります。これらのスポットを訪れる際には、稲穂峠を経由すると便利です。

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北海道開発局 小樽開発建設部

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