突撃隊

突撃隊（SA）

突撃隊とは、ナチスに属する準軍事組織であり、一般的には「褐色シャツ隊」として知られています。この部隊は、1933年にナチスが政権を獲得する以前から活動が始まり、主に対抗勢力への弾圧や社会運動の抑圧に携わりました。以下では突撃隊の成立から解体までの概要に焦点を当て、その歴史を辿ります。

概要と成立

突撃隊は、ドイツ労働者党（DAP）の集会警備部隊としての役割から始まり、後にナチス正式に改組されました。そのため、初期の突撃隊は党の命令に半独立的に従い、地域の義勇軍から多くの隊員を受け入れました。1923年のミュンヘン一揆への参加は、ナチスの歴史において重要な出来事でしたが、失敗に終わり、この時点で一時的に禁止されることになります。

再建されたのは1925年で、党に従属する組織として活動を再開しました。この頃から、党内の他の勢力と衝突し、特に社会民主党（SPD）や共産党（KPD）との街頭戦闘が頻繁に発生しました。

初期の指導者

エルンスト・レームが最初の最高指導者となりましたが、彼のリーダーシップは党首のヒトラーとの対立に悩まされました。1930年、レームは辞職し、ヒトラーが直接的な指導を開始しました。以降、日常的な指揮はレームの部下に委任されました。

政権掌握後の役割

1933年のナチス政権掌握後、突撃隊は公式に補助警察としての役割を担い、政敵を排除する任務に従事しました。しかし、突撃隊の大規模化と異なる政治的思想を持つ隊員が増加する中で、ヒトラーは国軍との調和を求め、突撃隊の影響力を制限しました。1934年の長いナイフの夜には、レームの率いる突撃隊幹部が粛清され、組織は徐々に力を失っていきます。

長いナイフの夜

1934年6月末、ヒトラーと彼の側近たちは、突撃隊の幹部が反抗的であるとの噂を根拠に大規模な粛清を決定しました。この粛清により、レームを含む多くの高官が殺害され、突撃隊は親衛隊（SS）に重要な権限を奪われました。この事件は「長いナイフの夜」として知られ、突撃隊の権威と影響力は著しく低下しました。

組織の変化と解体

その後も突撃隊は存続しますが、その主要な役割は国防軍への人材供給や訓練へとシフトしました。第二次世界大戦の終結までの間、突撃隊は多くの任務を果たしつつも、ナチス党内での立場は薄れ、もはやヒトラーにとって必要な組織とは言えなくなっていったのです。

まとめ

突撃隊はナチス党の中で重要な役割を担っていましたが、政治的状況やヒトラーとの関係の変化によって、その強さや影響力は次第に減少していきました。結局、突撃隊はナチス政権の運命と共に歴史の中に埋もれてしまったのです。

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