竜王駅

竜王駅：山梨の玄関口、中央本線の要衝

竜王駅は、山梨県甲斐市に位置するJR中央本線の駅です。甲斐市を代表する駅として、地域住民の生活や経済活動を支える重要な役割を担っています。この記事では、竜王駅の豊かな歴史から、現在の駅舎、そして周辺環境に至るまで、多角的に解説します。

歴史：明治時代から現代まで

竜王駅の歴史は古く、1903年（明治36年）に甲府～韮崎間の開通と同時に開業しました。当初は「龍王駅」と表記され、その後、中央東線（後の中央本線）に編入。昭和60年代には荷物扱いが廃止されたものの、平成時代にはコンテナ貨物取扱を開始し、輸送の要としてその役割を拡大させてきました。

特に、2001年には特急「かいじ」の1往復が発着駅となるなど、利便性が向上。2004年にはSuicaの利用が可能となり、東京近郊区間にも編入されました。2008年には、建築家・安藤忠雄氏設計による新たな駅舎が完成し、現在見られる近代的な姿となりました。南北自由通路の設置や駅前広場の整備も進み、利便性と景観が大きく向上しました。

近年では、みどりの窓口の営業終了や話せる指定席券売機の導入といった変化もありましたが、駅は常に進化を続けています。

駅構造：安藤忠雄氏設計による洗練された空間

竜王駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線の地上駅です。かつては南側にのみ駅舎がありましたが、安藤忠雄氏による設計に基づいた大規模な改修により、橋上駅舎へと生まれ変わりました。

新駅舎は、南北自由通路を備え、北側からのアクセスも容易になりました。ガラス張りの開放的な構造は、天気の良い日には富士山や南アルプスを望むことができる絶景を提供します。南口は「富士山ゲート」、北口は「昇仙峡ゲート」と名付けられ、地域のシンボルとしての役割も担っています。駅舎内には、自動改札機や電光掲示板、かつてはKIOSKも設置されていましたが、現在は話せる指定席券売機が設置されています。

貨物取扱：山梨県唯一の定期貨物列車発着駅

竜王駅は、山梨県において定期貨物列車が発着する唯一の駅です。JR貨物の設備は駅南口西側に位置し、コンテナホームやENEOS甲府油槽所への専用線など、貨物輸送に必要なインフラが整っています。

主に石油輸送列車が運行され、根岸駅との間で1日2往復の高速貨物列車が行き交います。コンテナ貨物の取扱も行われ、地域経済の活性化に貢献しています。産業廃棄物の取扱許可も取得しており、多様なニーズに対応しています。

利用状況：増加を続ける乗降客数

竜王駅の利用状況は年々増加傾向にあります。旅客数はもちろんのこと、貨物輸送量も安定した推移を示しており、地域の経済活動を支える重要な拠点としての地位を確立しています。具体的な数値については、JR東日本や山梨県統計年鑑などを参照ください。

駅周辺：豊かな自然と都市機能が調和

竜王駅周辺には、県道25号、国道52号、国道20号といった主要道路が交差し、交通の利便性が高いです。また、中央自動車道も近くを通っており、広域的なアクセスも容易です。

駅周辺にはENEOS甲府油槽所があり、石油類の発送拠点として機能しています。そのほか、甲斐市役所や東海大学付属甲府高等学校、駿台甲府高等学校なども比較的近距離に位置しています。自然環境にも恵まれ、富士山や南アルプスを望むことも可能です。

バス路線：充実した公共交通網

竜王駅には、路線バスが乗り入れ、周辺地域とのアクセスを確保しています。2010年の南北駅前広場完成に伴い、バス停の位置が変更され、利便性が向上しました。高速バスも運行されており、地域を結ぶ重要な交通手段となっています。

まとめ：地域社会を支える重要な拠点

竜王駅は、歴史と現代が融合した、地域社会を支える重要な拠点です。安藤忠雄氏設計による近代的な駅舎、充実した交通アクセス、そして豊かな自然環境など、多くの魅力を備えています。今後も地域の発展とともに、更なる進化を遂げていくことでしょう。

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