竜退治

竜退治：弱虫ドルーピーの意外な勇姿

1957年12月6日、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー（MGM）より公開されたアニメーション短編映画『竜退治』（原題：One Droopy Knight）は、マイケル・ラー監督による作品で、1957年度アカデミー短編アニメ賞にもノミネートされた注目作です。本作品は、1949年の『チャンピオン誕生』をリメイクした要素も持ち合わせています。

物語の舞台は、恐ろしい竜が暴れまわる王国。竜の脅威により、国は混乱に陥っており、王様は「竜を退治した者に王女との結婚を許す」というお触れを出します。

このお触れに応じたのは、誰もが知る人気キャラクター、ドルーピーとブッチ。勇敢な騎士の姿で竜退治に挑む二人ですが、竜の圧倒的な力の前には為す術もなく、痛めつけられてしまいます。特にブッチは、竜に鎧を剥がされ全裸にされてしまうという、見ている者を笑わせる結末を迎えます。

一方、ドルーピーはブッチの敗北にもめげず、戦い続けます。しかし、竜の強さの前に次第に力尽き、王女の写真を眺めながら無念の涙を流します。

このドルーピーの悲しみにつけこむように、竜は王女の写真に落書きをし、悪ふざけをしながら嘲笑します。この行為が、ドルーピーの怒りに火をつけます。

侮辱されたドルーピーは、普段とは全く異なる驚異的な力を発揮します。竜を圧倒的な力で打ち負かし、見事竜退治を成し遂げるのです。

こうして、ドルーピーは王女と結婚し、めでたしめでたし…と思いきや、竜はドルーピーのペットとして可愛がられることになります。この、予想外の結末も本作の見どころの一つと言えるでしょう。

キャラクター紹介

ドルーピー: 本作では竜退治に挑む勇敢な騎士として描かれています。普段は臆病で弱いドルーピーですが、侮辱されると驚くべき強さを発揮する、意外性のあるキャラクターです。日本語版では「サー・ドルーピー」と呼ばれています。
ブッチ: ドルーピーと共に竜退治に挑みますが、竜の強大な力に全く歯が立たず、鎧を剥がされ全裸で逃げ出すという、コミカルな結末を迎えます。日本語版では「サー・スパイク」と呼ばれています。
竜: 王国を混乱に陥れている恐ろしい存在。火を吐き、ブッチとドルーピーを圧倒的な力でねじ伏せます。しかし、ドルーピーの怒りを買ってしまうことで、最後は退治されてしまうのです。竜の声優は、製作総括のウィリアム・ハンナが担当しています。
王女: 王の娘で、ドルーピーいわく「国で一番美しい女性」。竜退治を成し遂げたドルーピーと結婚します。

スタッフ

監督：マイケル・ラー
制作総括：ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラ
アニメーション制作：ビル・シーペック、ケン・サウスワース、アーヴィン・スペンス、ハーマン・コーエン
レイアウト：エド・ベネディクト
背景：フェルナンド・モンテアレグレ
音楽：スコット・ブラッドリー

日本での放送

TBS版『トムとジェリー』の短編として放映されました。

関連事項

マイケル・ラー、ドルーピー、トムとジェリー、竜、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー

『竜退治』は、ドルーピーの意外な勇姿と、コミカルな展開が魅力的なアニメーション作品です。ドルーピーとブッチの活躍、そして予想外の結末をぜひお楽しみください。

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