管区警察局

管区警察局（District Police Bureau, Regional Police Bureau）は、警察庁の地方機関として、警察法第30条に基づいて設置されています。その前身は、国家地方警察本部が全国に設置した6つの警察管区本部であり、1954年の新警察法施行に伴い、現在の管区警察局へと移行しました。

組織と管轄

管区警察局は、東北、関東、中部、近畿、中国四国、九州の6つで構成されています。2019年4月1日の改正により、中国と四国が統合され中国四国管区警察局となり、その下に四国警察支局が設置されました。各管区警察局の長である「管区警察局長」は警視監の階級にあります。

業務内容

管区警察局は、警察法第5条に規定された広範な業務を分掌しています。具体的には、管内府県警察の監察、業務指導、表彰、広域捜査の調整、大規模災害への対応、警察通信事務などが挙げられます。特例として、重大サイバー事案については、関東管区警察局が全国を管轄して対処にあたります。

組織構成

管区警察局の内部組織は以下の通りです。

総務監察部（東北管区警察局・中国四国管区警察局は「総務監察・広域調整部」）：組織運営や監察業務を担当します。
広域調整部：広域的な警察活動の調整を行います。
情報通信部：警察通信に関する業務を行います。
府県情報通信部：各府県の情報通信に関する業務を行います。
管区警察学校：警察幹部の教育訓練を行います。

特例と例外

北海道と東京都は、管区警察局の管轄外となっています。北海道には北海道警察が置かれており、一つの都道府県で地方全体を構成するため、広域調整機能の必要性が低いとされています。また、警視庁は首都警察本部という特殊性から、関東管区警察局の管轄から除外されています。これらの地域には、警察庁の地方機関である警察情報通信部が置かれています。警視庁と北海道警察に対する広域調整・監察機能は、警察庁本庁が直接担います。

近年の動向

近年、管区警察局は、県警察本部との連携を強化する傾向にあります。中部・九州管区警察局は、それぞれ愛知県警察本部、福岡県警察本部のビルに同居、または同じ敷地内に所在しており、運用面でも県警本部と一部統合が進んでいます。

過去の組織

かつて存在した中国管区警察局と四国管区警察局は、2019年4月1日に統合され、中国四国管区警察局となりました。旧四国管区警察局は、四国警察支局として再編されました。

関連事項

警視庁
北海道警察
警察庁広域重要指定事件
* 憲法学会

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