紀見峠駅

紀見峠駅：高野線の歴史と静寂が交差する駅

和歌山県橋本市矢倉脇に位置する南海電気鉄道高野線の紀見峠駅は、その名の通り紀見峠に由来する駅です。駅番号はNK74。和歌山県内の南海高野線において最北端に位置しており、1915年（大正4年）3月11日、高野登山鉄道の三日市町駅 - 橋本駅間の延伸と同時に開業しました。以来、幾多の会社合併や路線譲渡を経て、現在では南海電気鉄道の駅として、地域住民に利用されています。

歴史を刻む駅舎

紀見峠駅は、単線時代から続く歴史ある駅です。かつては島式ホーム1面2線でしたが、高野線の複線化工事の過程で一時的に棒線駅として運用された時期もありました。現在は相対式2面2線のホームを持つ地平駅となり、8両編成の列車に対応できるホーム有効長を確保しています。高野山方面ホームに駅舎があり、難波方面ホームへは地下道で連絡しています。ホームの柵には薄い緑色が塗られており、近隣の千早口駅、天見駅と同様に、特徴的な色使いが施されています。

近代化も進み、自動改札機や自動精算機、ICカード用チャージ機、インターホンなど、快適な利用環境が整備されています。無人駅として運営されており、林間田園都市駅から遠隔管理されています。

開業から現在に至るまでの主な歴史は以下の通りです。

1915年（大正4年）3月11日：高野登山鉄道三日市町～橋本駅間延伸開業
1915年（大正4年）4月30日：社名変更により大阪高野鉄道の駅となる
1922年（大正11年）9月6日：南海鉄道に合併
1944年（昭和19年）6月1日：近畿日本鉄道に合併
1947年（昭和22年）6月1日：南海電気鉄道に路線譲渡
1979年（昭和54年）5月26日：天見～紀見峠間複線化
1979年（昭和54年）9月30日：新上り線設置工事のため仮設ホーム設置、単線化
1981年（昭和56年）1月25日：新上りホーム完成
1983年（昭和58年）6月5日：紀見峠～御幸辻間複線化、新下りホーム完成
2012年（平成24年）4月1日：駅ナンバリング導入（NK74）

駅周辺の風景

駅周辺は、昔ながらの静かな集落が広がっています。緑豊かな自然に囲まれ、のどかな雰囲気が漂います。アクセス面では、国道371号や紀見トンネルも近隣に位置しています。また、金剛生駒紀泉国定公園の一部である紀見峠も近くにあります。教育施設としては、橋本市立柱本小学校、橋本市立柱本幼稚園があります。最寄りのバス停は南海りんかんバス紀見ヶ丘停留所ですが、路線バスは林間田園都市駅から発着しています。

利用状況

2023年度の1日平均乗降人員は427人であり、南海電気鉄道の駅（100駅）の中では80位にランクインしています。利用客は主に大阪・堺都市圏への通勤・通学客や、橋本への通学生です。

アクセス

* 南海高野線：天見駅から3.7km離れており、高野線内では最長の駅間距離となっています。

紀見峠駅は、歴史と自然が調和した、静かで落ち着いた雰囲気の駅です。高野線の歴史を感じながら、ゆったりとした時間を過ごせる場所となっています。

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