統合整備計画

統合整備計画

統合整備計画（とうごうせいびけいかく）は、1989年に発表されたOVA「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」において、ガンダムシリーズの宇宙世紀0079年に設定された架空の軍事計画です。この計画は、ジオン公国軍が使用するモビルスーツ（MS）の各メーカーによる部品や部材の統一を目指しました。

計画の背景と目的

提唱者はマ・クベ中佐であり、開戦して間もない宇宙世紀0079年2月に提案されたとされています。計画の主な目的は、以下の要素を統一することで、生産性や整備性を向上させることにありました。

• - モビルスーツの部材や部品の規格統一
• - 装備および操縦系の標準化

また、兵士の後方支援の不足を見越して、未熟なパイロットでも効率的にMSを運用できるようにすることも計画の重要な目的でした。しかし、実際にこの計画が実行されたのは大戦末期であり、すでに狙われたゲルググの量産が完了した後でした。時間的に手遅れとなった結果、全ての兵器を統合することは不可能となり、逆に整備や再訓練の負担が増えたことが推測されています。

統合整備計画の結果と影響

統合整備計画に基づいて開発されたモビルスーツには、以下の機体が含まれています:

• - MS-06FZ ザクII改
• - MS-09R-2（MS-09RII）リック・ドムII（ツヴァイ）
• - MS-14JG ゲルググJ（イェーガー）
• - MS-18E ケンプファー
• - MSM-03C ハイゴッグ
• - MSM-07E ズゴックE
• - MS-15KG ギャン・クリーガー（ゲーム「機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記」に初登場）
• - EMS-10Le レプス

ただし、「0080」以外の映像作品に登場したモビルスーツは、上記の2機のみと言われています。

設定の変更と影響

「0080」の製作当初、登場するモビルスーツは初代「機動戦士ガンダム」に登場した機体のリファイン版として位置付けられていましたが、プラモデルの発売を考慮し、設定が改訂された結果、固有の名称が与えられることとなりました。そこで統合整備計画の設定が付加されたのです。この計画は、実際の歴史をモデルにしており、ナチス・ドイツのシュペーア・プランが参考とされています。

さらに、漫画や関連作品においても統合整備計画に基づいたストーリー展開がされており、例えば『虹霓のシン・マツナガ』では、マ・クベがこの計画を進言しています。また、別の漫画『機動戦士ガンダム バンディエラ』でもその効用が説明されており、少数生産機の開発が容易になったことが強調されました。

結論

統合整備計画は、モビルスーツの統一規格という理想を掲げましたが、その実行には課題が多く、戦局の悪化や提唱者の失脚により、期待された影響を与えることはありませんでした。しかし、計画から生まれた一部の新規格携行火器は、その後の戦争にも活用される等、一定の影響を与え続けています。この計画は、ガンダムシリーズにおける重要な設定の一つとして位置付けられ、作品世界の深みを増す役割を果たしています。

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