緑軍

緑軍の歴史と影響力

緑軍（ロシア語: Зелёная армия）は、ロシア革命後の内戦時に活躍した非正規軍事組織で、主に農民やコサックから構成されていました。この軍は、反ボリシェヴィキ及び反白軍という立場で活動し、そのことから「緑の蜂起軍」や「緑のパルチザン」といった別名も持っていました。広義において、赤軍や白軍に属さない勢力も含まれることから、緑は「第三勢力」として示されることもあります。

名称の由来

「緑軍」という名前は、主に彼らが農村や森林地帯に拠点を置いて活動していたためと言われています。十月革命以降、各地域の文化的背景と結びついた緑軍の活動は盛んになり、特に彼らの影響力が強かったのはウクライナでした。

ウクライナでは、ネストル・マフノが指導するアナキスト派のウクライナ革命蜂起軍、いわゆる「黒軍」が1918年から1921年にかけて南部で力を発揮しました。彼らは農村部での人気を背景に、中央政府や白軍、ソビエト政府と対抗する運動を展開しました。

コサックの影響

ウクライナでは、コサックの伝統が強く影響を与えており、非正規軍のリーダーたちは「オタマーン」または「アタマーン」という称号を名乗りました。これらの蜂起オタマーンの中にはヌィクィーフォル・フルィホールイェウやダヌィーロ・テルプィーロなどがいました。彼らは元のウクライナ人民共和国軍の指揮官でもあり、反共和国の蜂起を主導する立場にありました。

ロシアにおける蜂起

ロシアにおける最大の緑軍の蜂起は、タンボフ蜂起です。この蜂起は1918年から1921年にかけて行われ、ロシア帝国軍の将校と社会革命党員が指導しました。タンボフでは、演説会を開き、農民たちの意見を取り入れた民主的な政治形態が採用され、一時は大きな影響力を持ちました。

しかし、その後、白軍がクリミアから亡命するとともに急速に力を失い、最終的には赤軍に撃破されていきました。指導者たちは戦死または処刑されたのです。

自発的でない蜂起

緑軍の活動には、自発的でない形での蜂起も見られました。ポーランド・ソビエト戦争中、軍司令官たちはポーランド軍の支援を受けて、赤軍に対して農民蜂起を計画しましたが、結局、支持を得られず失敗に終わりました。

スローガンの意味

緑軍は数々のスローガンを使用しており、それらの背景には彼らの理念や目的が色濃く反映されています。

• - 「白くなるまで赤を打て、赤くなるまで白を打て！」は、敵対勢力に対する強硬な姿勢を表明しています。
• - 「ボリシェヴィキ抜きの共産主義を！」や「全権力を創立議会へ！」といったスローガンは、彼らの政治的な目標を象徴しています。

まとめ

緑軍の歴史は、ロシア内戦という激動の時代における地方勢力の抵抗と自主性を物語っています。彼らは公式な軍ではないものの、その活動の根底には強い地域意識と農民層の支持がありました。緑軍の影響は、多くの地元の伝統や文化に根ざし、その歴史を通してロシア革命後の社会を反映しています。

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