織田無道

織田無道(おだむどう、本名：織田礼介)は、1952年生まれの僧侶にしてタレント。その人生は、型破りで波乱に満ちたものでした。

神奈川県厚木市出身。身長175cm、体重75kg、血液型A型。自称・織田信長の子孫という、これだけでも強烈なインパクトを与える人物です。帝京大学法学部卒業という学歴も持ち合わせていました。

1980年代後半には臨済宗建長寺派圓光禅寺の第49代住職に就任。しかし、織田無道の名前が広く知られるようになったのは、1990年代からのバラエティ番組への出演がきっかけでした。「とんねるずの生でダラダラいかせて!!」などの人気番組で、霊能者として活躍。独特の風貌と奔放な言動で人気を博しましたが、そのキャラクター形成にはタレントの宮尾すすむからのアドバイスが大きく影響していたとされています。本人は後年、当時の露出について「出過ぎだった」と振り返っています。

順風満帆に見えた芸能活動でしたが、2002年、宗教法人の乗っ取りを図ったとして、公正証書原本不実記載・同行使の容疑で逮捕。懲役2年6か月、執行猶予4年の有罪判決を受けました。本人は無実を主張していましたが、司法の判断は下されました。

その後も、2007年には格闘技イベント開催におけるトラブル、2009年には住職を務めた寺の従業員との給与不払い問題などが報じられるなど、数々の問題を抱えることになります。

2014年には日刊ゲンダイの取材に応じ、メディアの前に姿を現しました。当時、複数の寺の住職を務めていた他、東南アジアでのエビ養殖ビジネスにも携わっていたといいます。具体的な寺院名は、檀家への迷惑を考慮し非公開でした。

晩年は癌と闘病。2018年には大腸がんステージ4と宣告され、余命1年と告げられました。しかし、2019年には自身のYouTubeチャンネルを開設し、動画配信活動を始めるなど、最後まで精力的な活動を続けました。2020年12月9日、68歳で死去しました。没後も、映像コンテンツ権利処理機構への登録が確認されています。

織田無道が住職を務めていた圓光禅寺は、神奈川県厚木市に位置し、1200年の歴史を誇る寺院。本尊には円光観世音菩薩が祀られており、1000人を超える檀家を抱えています。

織田無道は豪快で型破りな性格でも知られていました。酒を小学校6年生から嗜んでいたことなど、僧侶としての禁忌を破ってきたと公言。肉食を好み、性欲の強さも公言していました。また、柔道2段、空手3段の腕前を持ち、世田谷区大会柔道青年の部で優勝経験もあるなど、武道の素養も兼ね備えていました。「灯篭のある家には必ず霊がいる」など、霊能力者のような発言も少なくありませんでした。

カーマニアとしても有名で、ランボルギーニ・カウンタック・ウォルター・ウルフ仕様(映画『蘇える金狼』で松田優作が運転したモデル)を所有していました。

2007年には「無道Spirit」という格闘技イベントを開催しましたが、これは不履行に終わりました。このイベントにまつわる資金調達に関する疑惑も週刊誌で報じられています。

晩年はタレント活動から身を引いていましたが、その死後、日刊スポーツの取材に対して圓光禅寺は「既に一般人なのでコメントは差し控えさせていただきます」と回答しています。

俳優としても活動しており、テレビドラマや映画、Vシネマなどに出演。代表的な出演作品には、『金田一少年の事件簿』『聖龍伝説』『お墓がない!』『修羅のみちシリーズ』などがあります。バラエティ番組にも多数出演し、『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』、『めちゃ×2イケてるッ!』などに出演していました。また、『霊界革命児』、『織田無道のミステリー・ツアーへようこそ』など、複数の著書も出版しています。

その生涯は、数々の逸話と謎に満ちた、まさに波乱万丈なものでした。僧侶、タレント、実業家、そして様々なトラブルメーカー…織田無道という存在は、多くの人々の記憶に深く刻まれているでしょう。

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