美ヶ原温泉

美ヶ原温泉

美ヶ原温泉（うつくしがはらおんせん）は、長野県松本市の郊外、標高約800mの山麓に位置する温泉地です。その歴史は古く、奈良時代に開湯されたと伝えられています。かつては「束間の湯」と呼ばれ、日本書紀にもその名が登場するほどです。

泉質

泉質はアルカリ性単純温泉で、源泉温度は約45℃。毎分1,246リットルという豊富な湧出量を誇ります。無色透明で、肌に優しいなめらかな湯が特徴です。

温泉街の様子

温泉街は、古くからの町並みが残り、22軒の宿が点在しています。その景観は「松本市景観百選」にも選ばれており、歴史的な風情を感じられます。共同浴場は現在「白糸の湯」一軒のみですが、地元の人々や観光客に親しまれています。

歴史

美ヶ原温泉の歴史は古く、奈良時代には天皇が温泉別荘を作らせたとされる「束間の温湯」が、美ヶ原温泉である可能性が高いとされています。平安時代には、歌人・源重之が「束間の湯」について詠んだ歌が後拾遺集に収録されています。

江戸時代には、松本藩の御殿湯である「山辺茶屋」が置かれました。現在の「美ヶ原温泉」という名称になったのは昭和30年代に入ってからのことで、それ以前は「白糸の湯」「山辺の湯」「束間の湯」などと呼ばれていました。共同浴場の「白糸の湯」は、その名前を受け継いでいます。

温泉名の由来とされる美ヶ原高原とは、直線距離で東へ約20km離れています。1983年には国民保養[[温泉地]]に指定され、その価値が認められました。

日帰り入浴施設

白糸の湯

松本市里山辺の「ふれあい山辺館」内にある、美ヶ原温泉で唯一の共同浴場です。透明で無味無臭の湯は、弱アルカリ性単純温泉で、源泉温度は42.2度、湧出量は毎分130リットルです。4つの源泉を混合して供給されています。

ふれあい山辺館

「ふれあい山辺館」には、研修室と展示室も併設されています。研修室では調理実習やそば打ち体験などができ、展示室では美ヶ原温泉の歴史や自然環境に関する資料が展示されています。これらの施設は会議などにも利用可能です。

アクセス

鉄道・バス

松本バスターミナル（JR・アルピコ交通松本駅隣接）から、アルピコ交通バス美ヶ原温泉線で約25分。

周辺情報

湯川 (美ヶ原温泉)：信濃川水系の一級河川

関連リンク

美ヶ原温泉旅館協同組合

美ヶ原温泉は、歴史と自然に恵まれた温泉地です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してください。

もう一度検索