羽山紀代美

羽山 紀代美 - 宝塚歌劇団の振付家

羽山紀代美（はやま きよみ、1945年1月11日 - 2023年6月10日）は、日本の著名な振付家であり、宝塚歌劇団の元星組娘役としても知られています。大阪市の出身で、1961年に宝塚歌劇団に入団し、初舞台は月組公演『春の踊り/サルタンバンク』でした。宝塚入団時には47期生の中で成績が25位という好成績を収め、1962年には星組に異動しました。

羽山は、1973年12月30日に宝塚歌劇団を退団するまで、ダンスが得意な娘役として活躍しました。退団を決意した際には、その才能を惜しむ劇団側から振付家としての後進指導を提案され、これを受け入れ、喜多弘に師事することとなりました。

彼女の振付家としてのデビューは1975年、月組公演『恋こそわが命/イマージュ』で、新たな舞台の魅力を引き出す振付を手がけました。それ以降、数々の作品に振付を提供し、歌劇団のレッスン講師としても多くの生徒に指導を行いました。

1998年には歌劇団卒業生として初の理事に就任し、2005年には振付家としての30周年を記念した特別公演『ゴールデン・ステップス -1975〜2005-』が上演されました。この公演では、轟悠や湖月わたる、朝海ひかる、瀬奈じゅんといった現役選抜メンバーが彼女の振付を再現し、多くの観客を魅了しました。

また、2006年には長年の振付の功績が認められ、第32回菊田一夫演劇賞・特別賞を受賞しています。さらに、宝塚歌劇団創立100周年を祝う「宝塚歌劇の殿堂」に振付スタッフとして殿堂入りしたのは彼女の名誉でもあります。

羽山紀代美の振付作品は多岐にわたり、1975年から2023年までに発表された作品は実に数多く、その中には『赤と黒ー恋こそ我がいのちー』『エリザベート -愛と死の輪舞-』『風と共に去りぬ』など、今でも愛され続ける作品が含まれています。彼女の手掛けた振付は、歌劇団の舞台に華やかさと感動をもたらし、観客の心に深く刻まれるものとなっています。

2023年6月10日、羽山紀代美は78歳でこの世を去りました。彼女の残した足跡は、今後も多くの振付家や舞台制作において影響を与えていくことでしょう。彼女が育てた数多くの後進たちが、彼女の教えを胸に、さらなる高みを目指していく姿を見ることができるでしょう。羽山紀代美の存在は、宝塚歌劇団の歴史の中で永遠に輝き続けます。

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