羽後信用金庫

羽後信用金庫（うごしんようきんこ）

秋田県由利本荘市に本店を置く信用金庫です。複数の信用金庫が合併を経て現在の組織体制となりました。

概要

羽後信用金庫は、金融業界における地方銀行やゆうちょ銀行との顧客獲得競争が激化する中、経営基盤の強化と重複コスト削減を目的として、合併戦略を積極的に推進してきました。

特に、2009年7月13日には秋田ふれあい信用金庫と合併しました。この合併に先立ち、同年3月31日には、秋田ふれあい信用金庫が金融市場の混乱による有価証券や不良債権の処理により自己資本が減少する状況を改善するため、信金中央金庫を引受先として約30億円の優先出資証券を発行しています。

合併当時、羽後信用金庫は秋田県内の信用金庫の中で預金量が3位、秋田ふれあい信用金庫は2位でした。この合併により、新生・羽後信用金庫は県内の信用金庫において預金量で首位となり、東北6県の信用金庫の中でも中堅規模の事業体へと成長しました。合併後は、定款において秋田県全域を営業エリアとして定めることとなりました。

また、2014年5月19日には、本店を由利本荘市内の異なる住所へ新築移転しています。ただし、本部の機能は旧本店の所在地に残されています。

店舗展開

秋田ふれあい信用金庫との合併に際して、既存店舗の統合は行われませんでした。しかし、店舗名称については、合併前の秋田ふれあい信用金庫の本店（合併後は本店ではなくなる）と、両信用金庫に存在した横手支店の名称が重複していたため、合併時にこれらの2店舗は名称が変更されました。

羽後信用金庫という名称となった背景には、旧矢島信用金庫との合併によって発足した経緯があります。このため、本店所在地は旧本荘市ですが、独立した本荘支店が存在するという特徴があります。

沿革

羽後信用金庫の設立に至るまでの主要な変遷は以下の通りです。

旧鳥海信用金庫

1948年（昭和23年）4月11日：本荘町商工協同組合として設立。
1950年（昭和25年）2月：中小企業等協同組合法に基づく信用組合へ組織変更。
1953年（昭和28年）6月：信用金庫法に基づき本荘信用金庫へ改組。
1962年（昭和37年）3月20日：仁賀保支店を開設。
1965年（昭和40年）4月20日：駅前出張所を開設。
1967年（昭和42年）8月1日：大内支店を開設。
1968年（昭和43年）7月：駅前出張所が駅前支店に昇格。
1972年（昭和47年）10月16日：湯沢信用組合と合併し、鳥海信用金庫に改称。湯沢支店を開設。駅前支店は本荘駅前支店に改称。
1973年（昭和48年）10月1日：横手支店を開設。
1976年（昭和51年）5月：本店を新築。
以降、稲川、御門、石脇、象潟などの支店開設や、既存支店の新築・移転が順次行われました。

旧矢島信用金庫

1949年（昭和24年）1月：矢島町商工業協同組合を設立。
1950年（昭和25年）2月：中小企業等協同組合法に基づく信用組合へ組織変更。
1952年（昭和27年）3月：信用金庫法に基づき矢島信用金庫へ改組。
1955年（昭和30年）7月1日：前郷支店（現在の由利支店）を開設。
1958年（昭和33年）4月1日：鳥海支店を開設。
1962年（昭和37年）12月7日：笹子出張所を開設。
1963年（昭和38年）11月4日：東由利支店を開設。
1968年（昭和43年）7月2日：本荘支店を開設。
1971年（昭和46年）12月：笹子出張所を廃止、象潟支店を開設。
以降、本荘、岩城、西目などの支店開設や、既存支店の新築・改築・移転が順次行われました。

羽後信用金庫として

1995年（平成7年）2月6日：鳥海信用金庫と矢島信用金庫が合併し、羽後信用金庫として発足。
1995年（平成7年）8月28日：本荘駅前支店を本荘支店へ、象潟駅前支店を象潟支店へ統合。
1995年（平成7年）10月16日：川口支店を開設。
2008年（平成20年）6月2日：秋田県内の他の金融機関（秋田銀行、秋田信用金庫、秋田ふれあい信用金庫、秋田県信用組合）とATM相互出金提携（秋田あったかネット）を開始。
2009年（平成21年）7月13日：秋田ふれあい信用金庫と合併。
2014年（平成26年）5月19日：本店を新築移転。
2016年（平成28年）12月26日：秋田信用金庫、信金中央金庫と共に、秋田県と地域経済の活性化に関する連携協定を締結。
2018年（平成30年）10月9日：六郷支店を美郷支店に改称。
2023年（令和5年）7月以降：複数の支店（川口、大曲東、横手）でブランチインブランチ化を実施。
* 2025年（令和7年）3月以降：石脇、能代南、大町などの支店でもブランチインブランチ化が予定されています。

その他

スポーツ振興くじ（toto）の払い戻し業務を取り扱う店舗があります。

不祥事

2019年9月には、石脇支店の男性職員が顧客から預かった現金を着服していたことが判明し、当該職員は懲戒解雇処分となりました。

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