老女

老女（ろうじょ）とは

老女とは、主に武家や公家において、侍女の筆頭を務めた女性を指す言葉です。特に江戸幕府においては、大奥における役職の一つとして、上臈[[御年寄]]（じょうろうおとしより）、小上臈（こじょうろう）、御年寄（おとしより）の三役を総称して「老女」と呼ぶことが一般的でした。

老女は、主君やその家族の身の回りの世話をするだけでなく、奥向きの運営や管理にも携わる重要な役割を担っていました。彼女たちは、単なる侍女という立場を超え、時には政治的な影響力を持つこともありました。

老女の主な役割

主君や家族の世話: 日常生活における身の回りの世話はもちろん、食事や入浴、着替えなど、細部にわたるまで気を配りました。
奥向きの管理: 大奥における様々な規則や秩序を維持し、他の侍女たちの監督や指導も行いました。また、財政管理など、運営面でも重要な役割を担いました。
主君への進言: 時には主君に対して意見を述べたり、政治的な助言をしたりすることもありました。特に、将軍の生母や乳母を務めた老女は、大きな影響力を持つことがありました。
外交的な役割: 公家や他の大名家との交渉の場に同席したり、使者として派遣されることもありました。

歴史に名を残した主な老女

以下は、歴史に名を残した主な老女たちの例です。彼女たちは、それぞれの時代において、重要な役割を果たし、その名前が後世まで語り継がれています。

姉小路: 12代将軍徳川家慶に仕えた上臈[[御年寄]]。
万里小路局: 11代将軍徳川家斉から14代将軍徳川家茂まで、長きにわたり筆頭老女を務めました。
幾島: 天璋院（篤姫）に仕え、後に郁姫の上臈[[御年寄]]となりました。
一色須賀: 幕末の一橋徳川家に仕えた老女。
絵島: 7代将軍徳川家継の生母である月光院に仕えた御年寄。
右衛門佐局: 5代将軍徳川綱吉に仕えた上臈[[御年寄]]。
小ノ島: 幕末の薩摩藩江戸藩邸に仕えた老女。
春日局: 3代将軍徳川家光の乳母として知られ、大奥を創設した人物としても有名です。
亀岡: 近衛忠熙に仕えた老女。
瀧山: 13代将軍徳川家定、14代徳川家茂時代の将軍付御年寄。
豊原: 5代将軍徳川綱吉から7代将軍徳川家継まで、将軍に仕えた老女。
三沢局: 4代将軍徳川家綱の乳母であり、後に将軍付御年寄となりました。
村岡: 近衛家に仕え、近衛忠熙の老女を務めました。
矢島局: 徳川家綱の乳母であり、その時代の大奥御年寄を務めました。

関連用語

上臈[[御年寄]]（じょうろうおとしより）: 大奥における最高位の役職で、将軍の生母や正室など、身分の高い女性に仕えました。
御年寄（おとしより）: 上臈[[御年寄]]に次ぐ役職で、大奥の運営や管理を担いました。

まとめ

老女は、単なる侍女という枠を超え、主君やその家族の生活を支え、時には政治にも関与する重要な存在でした。彼女たちの働きは、歴史の流れを大きく左右することもあったと言えるでしょう。

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